【世界体操】男女エースが進退言及 村上茉愛「引退します」内村航平「今は何とも言えない」

苦笑いの内村航平(代表撮影)

体操の世界選手権(24日、北九州市立総合体育館)が閉幕し、体操ニッポンを引っ張って来た男女エースが進退に言及した。

ラスト演技の種目別「床」で金メダルを獲得した村上茉愛(25=日体クラブ)は「今日で引退します」と明言。決断した経緯については「精神的なものもあるし(2019年に)腰をケガしてからすごく引退が近く見えた」と話した。

また、引き際の美学として「競技成績が下がっていく時に辞めるのではなく、良い時に自分の最終地点を決めて終わりにしようと思うようになった」との見解も示す。今後は国際大会の経験を生かし、女子体操界の普及に尽力する意向だ。

一方、ロンドン&リオ五輪個人総合連覇の内村航平(32=ジョイカル)は今後の予定を問われると「みんな気になっていると思いますけど…。現役を続行するかしないか」と笑顔を見せつつ、こんな胸の内を吐露した。

「実際これはですね、僕が今、決めることではないというか。茉愛ちゃんみたいに『これが最後』って決めてやっているなら『今日やめます』って言えるけど、僕の場合はそんな簡単じゃないですね。続けるにしても辞めるにしても。やっぱり相当、考えて決めなければいけないだろうし」

ここ数年、キングは様々な経験をした。ケガによる代表漏れ、新型コロナウイルス禍による五輪延期、個人総合からスペシャリストの転身。激動の時を過ごす中で「決める必要はない」という境地に達したようだ。

「辞めるという選択肢はあまり…。ずっと続けてきたし、何かの区切りとして辞めるとか、そんなことする必要もないかなと思いますね。今は何とも言えないって感じです」

対称的な引き際を語った男女エース。それぞれの信念のもとに、また新たなスターを切る。

© 株式会社東京スポーツ新聞社