真鶴町の選挙人名簿のコピー流出 2019年知事選の6600人分

真鶴町役場

 2019年4月の神奈川県知事選で使われたとみられる真鶴町の選挙人名簿抄本のコピーが外部に流出していることが24日までに分かった。コピーには約6600人分の有権者の氏名、生年月日、性別、住所などの個人情報が記されていた。選挙人名簿抄本は政党の政治活動や公益性の高い世論調査などを目的とする場合は閲覧できるが、コピーは認められておらず、公職選挙法では目的外利用や第三者への提供を禁じている。

 流出している選挙人名簿抄本コピーは、有権者が知事選時に町内に5カ所設置された投票所ごとに分けられている。関係者によると、コピーは、今年9月の真鶴町議選に出馬したある候補者が選挙前に町関係者から入手したとされる。この候補者に提供したと名指しされた町関係者は神奈川新聞社の取材に対し、「初めて聞いた。分からない」と提供を否定している。

 今後、コピーの流出の経緯とともに、町選挙管理委員会など町の個人情報の管理体制も問われそうだ。

 町選管の関係者は、神奈川新聞社の取材に「事実であれば、一般的に公選法違反に当たると考えられる。あってはならないことだ」としている。

 同町に住む50代の女性は「個人情報を何に使われているのか分からず不安。なぜきちんと管理されていないのか。町を信頼できなくなる」と話している。

 選挙人名簿抄本は06年に公選法が改正されて以降、コピーが禁止されている。不正な手段での閲覧や利用目的以外の利用、第三者提供をした場合、30万円以下の過料が課される。

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