【中国】各地で不動産税導入へ、住宅価格を正常化[建設]

© 株式会社NNA

中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は23日、日本の固定資産税に当たる「不動産税」を一部の都市で試験的に導入すると決定した。居住用・非居住用を含む住宅と土地に課税する。不動産投機を抑制することで、住宅価格を正常な水準に戻し、国民の不満解消を図る狙いとみられる。ただ富裕層の住宅購入意欲が減退すれば、業況が悪化している不動産企業に追い打ちをかけることになりそうだ。

新華社電などが伝えた。試験課税期間は5年。成果を踏まえた上で、期間終了後6カ月以内に再度課税するか否かを決定する。

法に基づいて保有する農村部の住宅と住宅地には課税しない。

具体的な課税措置の策定は国務院(中央政府)や地方政府に委任。中央・地方政府は今後、課税対象都市や税率などの細目の選定に取り掛かる。

常務委員会は課税目的について、合理的な住宅消費の促進や土地資産の乱用防止を挙げた。不動産投機が活発化し、都市部の住宅価格が庶民の手の届かない水準に達している状況を是正する考え。中国政府はこれまで広範な固定資産税の導入を先送りにしており、今回の措置は価格正常化に向けた切り札ともいえる。

不動産市況の分析を行う諸葛找房数拠研究中心によると、2020年の国内主要100都市の住宅価格は平均年収の13.2倍。沿海部の大都市は30倍以上で、最も高い広東省深セン市は48.1倍に達する。

一方、日本の首都圏のマンション価格を見ると、19年の倍率は7.4倍。中国の住宅相場の高さが際立つ状況だ。

■業況悪化に拍車か

ただ、不動産業界の景気悪化に拍車をかける恐れもある。

中国の不動産業界では、大手の中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)が経営危機に陥っているほか、他の企業も債務不履行(デフォルト)の危険を抱えているとされる。

政府が住宅高騰の抑制を念頭に不動産企業への融資規制などを行ってきたことが背景にある。不動産税の導入が富裕層の住宅消費を下押しすれば、各社の財務状況がさらに悪化する可能性がある。