「トラックの荷台で全員避難」 震災遺構の請戸小、一般公開始まる

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一般公開が始まった震災遺構の請戸小校舎=浪江町請戸

■津波と原発事故の「複合災害」伝える

 震災遺構として整備された福島県浪江町の旧請戸小校舎の一般公開が24日、始まった。県内初の震災遺構で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の「複合災害」を伝える。
 開館記念式典が現地であり、内堀雅雄知事は「津波と原発事故という、二つの災害の記憶を後世に発信する貴重な施設が完成した。世代を超えて命の大切さを伝えたい」とあいさつ。
 請戸小の卒業生を代表して、当時6年生で現在は県東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)に勤務する横山和佳奈さん(23)=南相馬市=が「津波で家や思い出を失ったが、校舎が残っているのはうれしい。地元の人たちが集う場になってほしい」と話した。
 海から約300メートルの距離にある請戸小は高さ15メートルの津波に襲われた。校内にいた児童、教職員計95人は運送業者の大型トラックの荷台に乗せてもらって避難し、全員無事だった。学校は閉校となり、教室などはほぼ被災当時のまま残る。
 浪江町では震災で182人が死亡・行方不明になり、うち154人は沿岸部の請戸地区の犠牲者。ほかに約440人が震災と原発事故の関連死と認定されている。
 入館料一般300円、高校生200円、小・中学生100円で、団体(20人以上)割り引きもある。火曜休館。