中国経済に「非市場化」の兆候、警戒すべき6つの点―中国シンクタンク

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2021年10月21日、米華字メディア・多維新聞は、中国経済の「非市場化」の兆候に警戒すべきだとする中国のシンクタンクによる研究文章を掲載した。

記事によると、中国のシンクタンクANBOUND(安邦智庫)が、近年中国国内で市場の抑制、行政による市場への介入、市場化の力を弱めるといった事象が絶えず発生しており、「非市場化」の傾向が見られると指摘した上で、警戒すべき点を6つ挙げて論じたこと。

1つ目は、市場価格への政府の介入が増え始めている点とし、その例として国家発展改革委員会が19日に石炭価格への介入措置を検討していることを明らかにしたことを挙げた。同委員会による石炭価格への介入は「価格法」に基づくものとする一方で、このような介入が状態化すれば市場の調整メカニズムが崩壊することになると指摘した。

2つ目は、政府による大規模な計画が中国の経済活動を縛るケースが増えている点とした。市場化の重要な役割は、市場によるリソースの分配権を強めることにあり、第19回中国共産党大会における党規約修正案でも「リソース分配において、市場経済に決定的な役割を発揮させる」と明記された一方で、現実的には外部環境による圧力、経済成長の鈍化に対処すべく、政府が大規模な計画を次々と打ち出しており、これにより政府によるリソースの分配権が強まり、市場の役割が抑制されてしまっているとした。

3つ目は、民間企業に代表される市場経済の担い手の弱体化。これには市場、管理、政策、金融などさまざまな原因が存在するとしつつ、共通する問題点は民間企業が直面する圧力が強まっており、国有企業の主導性、影響力、そしてリソース占有がますます顕著になっていることだと指摘した。

4つ目は、トップダウンによる計画が増えたことで、市場や末端の自発的な行動力が弱まったこと。

5つ目は、政府や共産党中央が金融サービス業などで規制緩和を打ち出す一方で、不動産や教育など多くの産業に対し引き締め策を発動していることとした。

そして6つ目は、独占禁止措置における差別を挙げ、健全な市場競争を維持するために民間企業の独占行為に対して厳しい取り締まりを行う一方で、国有企業による「行政的独占行為」に対する監視が甘くなっていると論じた。

同シンクタンクは6つの危険な兆候を挙げた上で「中国の発展モデルである社会主義市場経済のその立脚点、基盤、本質はいずれも市場経済だ。市場化、市場の効率、市場の活力が失われれば、社会主義市場経済が発展するための活力も制約される。中国にとって、市場経済をしっかりと運用し、経済力を安定的に高めなければ、社会主義をさらに発展させるためのリソースや能力は得られず、みんなで豊かになるという第2段階の戦略目標の実現も難しい」と結論付けているという。(翻訳・編集/川尻)