阪神ドラ6中野、盗塁王が確実に 長嶋茂雄や野茂英雄…新人のタイトルホルダーは?

阪神・中野拓夢【写真:荒川祐史】

新人の盗塁王は2001年の赤星と2019年の近本の2選手

ペナントレースも大詰めを迎え、優勝争いに加えて個人タイトル争いも白熱している。ルーキーの活躍が目立つ今シーズン、セ・リーグの盗塁部門ではドラフト5位入団の阪神・中野拓夢内野手が30個で、同僚の近本光司外野手に6差をつけてトップに立っている。1950年の2リーグ分立後、タイトルを手にした新人はどれくらいいるのだろうか。

まずは打撃部門から。本塁打王は1958年の長嶋茂雄(巨人)、1959年の桑田武(大洋)の2人。立大から鳴り物入りで入団した長嶋はいきなり打率.305、29本塁打、92打点、37盗塁をマーク。本塁打と打点の2冠を手にした。この年の長嶋はベースを踏み忘れて本塁打を1本取り消されており、これがなければトリプルスリー達成だった。桑田の31本は1986年の清原和博(西武)と並び、新人最多アーチだ。

打点王は長嶋だけで、首位打者はまだ出ていない。ルーキー最高打率は1998年の坪井智哉(阪神)で.327。この年のリーグ3位だった。年間最多安打は1956年に佐々木信也(高橋)が180本、1958年に長嶋が153本で記録しているが、当時はタイトルではなかった。最高出塁率もいない。

盗塁王は2001年に赤星憲広(阪神)が39、2019年に近本光司(同)が36で獲得した。赤星は2005年まで5年連続でタイトルを手にし、近本は昨年も31個で2年連続で載冠となった。中野が今回単独で盗塁王になれば、近本の3年連続を阻むことになる。

権藤博は1961年に35勝、野茂英雄は1990年に“4冠”を獲得

投手部門はタイトルホルダーが多い。最多勝は過去に9人。権藤の35勝がNPB新人記録で、1999年は両リーグの最多勝がルーキーだった。最優秀防御率は12人で、稲尾は高卒1年目でパ・リーグ記録の1.06をマークした。

最高勝率は1950年に大島信雄(松竹)が.833、1966年に堀内恒夫(巨人)が.889、1980年に木田勇(日本ハム)が.733、1990年に野茂英雄(近鉄)が.692、2013年に小川泰弘(ヤクルト)が.800で獲得した。1999年に上原浩治(巨人)がリーグトップの.833をマークするも、当時セ・リーグはタイトル表彰していなかった。パ・リーグが1989年、セ・リーグが1991年にタイトルとして制定した最多奪三振は1990年に野茂が287個、1999年に上原が179個で獲得している。

救援では、最優秀救援投手として表彰されていた1990年に与田剛(中日)が35セーブポイント(救援勝利+セーブ数)、2004年に三瀬幸司(ダイエー)が32セーブポイントで獲得した。セーブ数で争う最多セーブ投手として表彰されるようになった2005年以降はいない。新人の最多セーブ数は2015年の山崎康晃(DeNA)で37。

最優秀中継ぎ投手は、1999年に岩瀬仁紀(中日)、2009年に攝津正(ソフトバンク)が獲得。岩瀬が受賞した当時、セ・リーグはリリーフポイント数で表彰。攝津は39ホールドポイント(5勝34ホールド)で手にした。

○新人の最多勝
1950年:荒巻淳(毎日)26勝
1954年:宅和本司(南海)26勝
1960年:堀本律雄(巨人)29勝
1961年:権藤博(中日)35勝
1980年:木田勇(日本ハム)22勝
1990年:野茂英雄(近鉄)18勝
1999年:上原浩治(巨人)20勝
1999年:松坂大輔(西武)16勝
2013年:小川泰弘(ヤクルト)16勝

○新人の最優秀防御率
1950年:大島信雄(松竹)2.03
1950年:荒巻淳(毎日)2.06
1954年:宅和本司(南海)1.58
1956年:稲尾和久(西鉄)1.06
1959年:村山実(大阪)1.19
1961年:権藤博(中日)1.70
1966年:堀内恒夫(巨人)1.39
1970年:佐藤道郎(南海)2.05
1972年:安田猛(ヤクルト)2.08
1980年:木田勇(日本ハム)2.28
1990年:野茂英雄(近鉄)2.91
1999年:上原浩治(巨人)2.09(Full-Count編集部)

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