【鳥取マガジン】鳥取での暮らし『自分が何を大切にして生きていたいのか?』[鳥取県移住インタビュー]

鳥取での暮らし『自分が何を大切にして生きていたいのか?』[鳥取県移住インタビュー]

鳥取県移住者インタビュー。鳥取県日野森林組合にお勤めの神庭さんにお話を伺いました。

転勤が多い職場で定住を求めて移住。大切にしているのは『自分が何を大切にして生きていたいのか?』。身の回りの小さいことへ目を向ける鳥取での暮らしには、幸せに生きるヒントが隠れています。

鳥取にUターンされたきっかけ・理由

神庭さんは鳥取県出身。広島などで仕事をした後、地元である鳥取県西部にUターンしました。

「広島には広島の良さがありましたが、どのタイミングで異動転勤になるかわからず、『定住』がいつになるのか?わからない状態でした。もっとシンプルに身体を動かして働く仕事への志向が強くなり、以前から気になっていた林業への転職を決め、実家へ戻ることにしました。」

移住を決めたのは現在働いている森林組合の体験作業だったと語る神庭さん。しかし森林組合には深い考えがなく行ってみたとのこと。

「一次産業への漠然とした憧れと、登山が好きで山が好きで林業ってどうなのかな?というイメージだけで深い考えもなく、たまたま家の近所にあった森林組合に行き、3日間の体験作業をさせて頂きました。

それがとても面白く『こんな面白いことは人にさせていくわけにいかない。これだ!』と思い、体験してすぐに転職を決めました。」

すぐに転職することを決めた神庭さんですが、実はその時森林組合は求人募集をしていませんでした。電話で『働かせてください』と伝えると、『いや、今募集してなかったんだけど』という驚きの返答が、、。

しかし数日後、無事に採用の電話をもらいホッとしたという神庭さん。移住には思い切りも必要なのかもしれません。

普段どんなお仕事をされているのか?

現在神庭さんは、鳥取県日野町にある森林組合の作業班長として働いています。

「森林組合の作業班長として、日常的にはスギ・ヒノキ人工林の間伐を行っています。

現在は多くの作業で重機を使います。昔の林業のイメージとはずいぶん違って、(林業に従事しているのに)最近まさかの運動不足を感じています。身体を動かせる仕事があると、メンバーで仕事の争奪戦になるほどです。班長としてバランスよく仕事を割り振りするのに苦労しています。」

機械化が進み、様々な便利な装備や機材などが入ってきているので、昔に比べたら働く環境がとても良くなっているそう。職場でも20代30代の若いメンバーがどんどん入ってきて、40代の自分が最年長になっているといいます。

高齢化でハードな仕事という印象があった林業ですが、お話を聞いてイメージが変わりました。

伐採作業中には珍しい動物に出会うことも、、。写真は冬眠中のヤマネです。国の天然記念物にもなっています。

「余談ですが、冬に伐採作業をしていて、枯れ木から冬眠中だった絶滅危惧種のヤマネが2匹転がり出てきたことがありました。私は初めて見ましたが、そのままにしておくわけにもいかず、大山自然歴史館に連絡して春まで保護して頂いたことがありました。

その一件から森林組合では、森林所有者の同意が得られれば、野生動物のために枯れ木を少しは残しておこうということになりました。保護の様子は新聞記事にもなり貴重な経験になりました。」

写真は、神庭さんが好きな仕事だという特殊伐採。神社や家屋付近、墓地や電線などに支障となる木の伐採をする仕事です。

「一番好きな仕事は特殊伐採です。ロープを駆使して木に登り、剪定したり、少しずつ吊り下ろして全部伐採していきます。先日高校の出前授業で特殊伐採のビデオを見てもらったのですが、高校生たちもすごく興味を持ってくれたようです。やってる自分もとても面白い仕事です。」

高所の作業であり、高度な技術が必要な特殊伐採。海外では技術を競う大会もあり、近年様々なところで注目されています。まさに日頃鍛えた成果を発揮できる仕事ですね。

プライベート

プライベートでは遭難対策委員会の委員長を務めているそう。

「もともと登山が好きで、昔は北アルプスなどの山に行って楽しんでいました。現在は「鳥取県山岳・スポーツクライミング協会』で遭難対策委員会の委員長をしています。そこでは安全な登山のための講習会をしたり、山岳パトロールをしたり、遭難を防ぐための活動をしています。

山岳遭難が発生した場合など、実際に救助活動に参加することもあるのだとか。

「大山は県内外から登山者が多く、毎年20件前後の遭難が発生しています。ほとんどは警察の方やヘリコプターで解決できるのですが、警察からの要請によりメンバーを揃えて救助活動へ参加することもあります。」

鳥取の魅力

鳥取県の良さは、小さい県だから、小回りがきいて細かい配慮が行き渡ることと、神庭さんはいいます。

「数年前、鳥取県の林業部門で魅力ある研修の企画があり、応募した私はオーストリアの国立森林研修所で最先端のことを色々教わってきました。またその後、今度はオーストリアから先生を連れてきてくれて、江府町の現場でみっちり色々な技術を教わることがありました。

これって、小さい県だからこそできるんじゃないかと思っています。県の担当者、同業他社関係者など顔見知りの方ばかりですし、横のつながりもあります。1人じゃないんだと思わせる集まりを作ってくれるなど、情熱を持って様々なことを企画しサポートしてくれるのは、『鳥取県ならでは』だと思っています。」

小回りがきく小さい県だからできる配慮や取り組み。鳥取県ならではの良さですね。

鳥取に移住・Uターンを検討している人に伝えたいこと

「効率、便利、流行といった価値観から離れて、身の回りの小さなことへ目を向けることができれば、豊かな生き方ができると思います。

ここには都会の騒音が聞こえてきません。家に居ながら聞こえてくる野鳥の声の主、知らなかった樹木の名前、近所の人がつくる農作物、食べられる山菜やキノコ、道具や家の修理など、興味を持てばいくらでも発見があります。

偉そうなことを言える私ではありませんが、自分は何を大切にして生きていきたいか、鳥取なら自分に合いそうだなと考えたら、ぜひ来てもらいたいなぁと思っています。」

自分が大切にしたいことを考え、できる範囲で地域のためになる活動をし、小さな喜びに目を向ける生き方。そんな豊かな暮らしを実践している神庭さんの話を聞いて、私自身も自分の生き方を見つめ直してみようと思いました。

山で働きたい人 募集中

鳥取日野森林組合では、育林、伐採、作業道を開設する人を募集しています。新規採用者のほとんどが未経験からスタートしていて、技能資格や専門技術は働きながら身につけていっています。

興味のある方は下記までお問い合わせください。就業をお考えの方は施業現場の見学も可能です。

林業には危険もありますが、それに対する技術と装備を駆使して、やりがいのある仕事をしてみませんか。

【鳥取日野森林組合】
〒689-4505 鳥取県日野郡日野町舟場277番地3.
電話 0859-72-0066 E-mail hinomori1999@yahoo.co.jp

とっとり移住定住ポータルサイト 鳥取来楽暮(とっとりコラボ)

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(データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。変更ある場合がありますので参考程度にお願いします。)

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