「城泊」で殿様気分 最初の宿泊者に東京の真田さん夫妻 長崎・平戸城

懐柔櫓前で取材に応じる真田さん夫妻=平戸市

 長崎県平戸市が今春、始めた「城泊」事業の最初の宿泊客が23日、平戸城の懐柔櫓(やぐら)に宿泊した。「初代城主」は東京のゲーム開発会社、Klab(クラブ)取締役会長の真田哲弥さん(57)、裕子さん(57)夫妻。城下町、平戸瀬戸を見下ろす殿様気分を味わった。最初の宿泊客となった2人に24日、黒田成彦市長(61)が平戸の特産品を記念に寄贈した。
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 「城泊」は同市が国の提案、支援を受け、本丸南東側にある懐柔櫓を、日本初とされる常設の宿泊施設に改修した。訪日外国人など国内外富裕層が主なターゲット。新型コロナウイルスの影響で国の人流抑制政策が取られたことから稼働に至っていなかった。同市によると、9月までに問い合わせが約50件、後にキャンセルになった予約も複数あったという。

黒田市長(左)からの記念品を受け取る城泊最初の宿泊者、真田さん夫妻(中央の2人)=平戸市、平戸港

 城好きの真田さんが9月、知人から情報を聞き、申し込んだ。2日間で、国指定重要無形民俗文化財「平戸神楽」鑑賞や地酒の利き酒、世界文化遺産の構成資産などを海から臨むクルーズ、茶室での茶道を体験した。
 同市は最初の「城泊」宿泊を記念してクルーズ後、平戸港桟橋で記念品贈呈式を実施。初めて平戸を訪れた哲弥さんは「城に泊まれるなんてすごいと思った。建物の外観と内装のギャップ、室内からの眺め、食事、どれも素晴らしかった。海外留学中の子どもを連れて、また訪れたい」。裕子さんも「大満足でした」と笑顔で取材に応えた。


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