「新時代の就活」を勝ち抜くために必要なキャリア思考とは?

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新型コロナウイルスの影響で、社会は「新時代」を迎えようとしている。我々の生活はこの1年半という短い時間で、人々の生活や価値観、働く場所や働き方まで大きく変化している。ビジネス社会においても、航空、ホテル、飲食業界を筆頭に業界そのものが打撃を受けるなど、これまでの文化、歴史では語れない世界観が広がってきている。

当然、学生市場にも影響は及んでおり授業や部活・サークル・ボランティアなどの活動、さらにはアルバイト環境も変化している。そして、何よりも注目度が高いのはこれまで30年以上も文化に縛られ大きな変化が起きなかった就活、学生のキャリア思考がいよいよ新時代を前に動き出したということ。

コロナ禍で就活生が考えるべき「未来志向」

実は「コロナ禍をきっかけに」ではなく、就活ルールの大幅変更があった2015年頃より、優良企業で内定を獲る学生達から、「自己分析は古い、必要ない」というニュアンスの発信が多くなった。

つまり、時代が変わり企業の考え方や働き方が変化している中で、入社して40年近く同じ会社で働くために自分をPRした「古い就活」から、キャリアは自分でデザインできる、かつ転職や起業・フリーランスの可能性すら将来ありえること前提に活動する「新しい就活」に移行しているのだ。

企業の視点はシンプルで、変化の激しい時代だからこそ、自分自身で考え、意思を持ちどんな困難にも負けずに立ち向かい、自分自身で勝ち抜くことのできる人材が欲しい。企業は学歴や経験ではなく、AI時代でも自らビジネスを創造し、推進できる人材に価値を見出す傾向が強まっている。

つまり、学生時代に頑張った、いわゆる「ガクチカ」と言われる経験そのもので人を評価するのではなく、その経験の中で得た能力や価値観は「ビジネス社会でも使えるものなのか」というように、学生の本質的な学びや再現性に対しての評価にシフトしているのだ。

「やりたい」よりも「やるべき」探しが成功のカギ

コロナ禍だからではなく、これからの変化の激しい社会だからこそ就活の意識や行動は変革する必要がある。「古い就活」の王道だった「好きややりたいこと」を軸に就活軸を定めるという方法があるが、入社後のギャップや短期間での離脱などミスマッチが加速をしている現状から見ても分かるように、新しい時代の就活は、「やるべき」を探すことが適している。

その「やるべき」探しとは、「未来志向」で考えることだ。つまり、これからの日本経済やビジネスがどのように変化をしていくのか情報を集めることで未来がクリアになり、その世界の中で自分の立ち位置、状態等を想像していくのだ。

シリコンバレーの学生に将来どんな会社に就職をしたいかと尋ねた際に、こんな返しをされたことが強く印象に残っている。

「未来は自分の価値観も変わるので、今は分からない。でも必ずAI市場になるので『機械学習』を独学でやっている。それが今"やるべき"アクションだと思っている」

まさにこの考え方こそが、新時代のキャリア観であると思う。未来志向の中で、将来自分はどんな力があれば、変化の激しい市場でも価値を発揮できるのか? 活躍できるのか? を先読みしていくということになる。

故に、学生の皆さんは未来志向が出来るようになるために、30年度の労働人口やGDP、グローバル化、働く価値観、AI化等の情報を取り込んでほしい。それがない中で描く未来は、過去に頼った自己分析と今の知識の中での想像でしかないはずだ。

新時代の社会が学生に求める能力とキャリア観とは

これから本格的に訪れる「新時代」は、変化が激しく一定の厳しさが付きまとうビジネス環境だと言われている。そこでは、言われたことを着実にこなす人ではなく自ら思考してカタチにする、物事を前進させるような主体性のある人が求められる。

過去の「古い就活」では、企業は学生時代にどんな活動をしたかで人を評価する傾向にあったが、これからの「新しい就活」は、学生時代の経験の中で得た能力や価値観を評価し、さらにそこに再現性があるかが求められる。特に、ビジネスで使用するコミュニケーション力、思考力、主体性、新時代に求められるリーダーシップを発揮できることが望ましい。

そして、入社して40年キャリアを積み上げるということよりも、社内外で市場価値を高めて自分でキャリアをデザインし自分自身で舵を切るという意識が求められている。

ぜひ、学生の皆さんには、こういった新時代に適した「新しい就活」の価値観や企業の新卒採用に対しての変革ポイントを理解することからスタートしてもらいたい。

佐藤裕

さとう・ゆう

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