アイ工務店、元横綱とパートナー契約 常設の土俵施設を建設

アイ工務店(大阪市)はこのほど、荒磯親方(第72代横綱・元稀勢の里)とパートナーシップ契約を行い、荒磯親方を同社のスペシャルアドバイザーに起用したと発表した。同契約の一環として、同社が地域振興を目的に建設した土俵常設型施設「アイベース福岡」を、荒磯部屋の大相撲九州場所開催時の宿舎として貸し出す。また、茨城県に創設された「荒磯部屋」に併設する荒磯親方の住居の設計・施工も担当した。今後、荒磯親方に地域社会に貢献する取り組み事業に協力してもらうとともに、荒磯親方を起用した同社新TVCMを福岡・佐賀エリアにて11月から放映する。

同社は、荒磯親方が現役時代から親交があり、親方の相撲に対する真摯な態度や新たな指導法に取り組む姿勢に共感したことから、今回の提携を実施。地域の活性化と子どもの成長を願う両者が連携し、地域貢献へ繋げていきたいとしている。

九州には常設の土俵が殆どなく、巡業時の稽古などに苦労していることから、日本の素晴らしい文化の一つである相撲に貢献したいと、九州場所会場から比較的近い、福岡西展示場の隣地に「アイベース福岡」を建設。荒磯部屋が使わない時期(10月下旬~11月下旬を除く時期)には、地元の児童・学生などに開放する予定。ちゃんこ料理の提供など地域交流イベントのほか、ちびっ子相撲などへの支援も検討している。

「アイベース」は店舗型多目的な建物という意味で、活動や情報発信の基地として提供。ネーミングには、ここでの活動が成長や発展、拡大、地域貢献に繋がる基点となるよう願いが込められている。

今後は、「アイベース福岡」建設の際に培ったさまざまなノウハウをこれからの事業展開に活用。土俵周りに大空間スペースを確保した経験を、カフェや事務所などの事業者向け提案に生かすことで、資産活用事業を強化するとしている。また、重量に対して従来よりも住宅に強度が必要だったことから、今後再燃すると予想されるインバウンド向け事業も検討している。

アイベース福岡 外観(左)、土俵エリア(右)

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