【鉄道トリビア】実は山手線はウグイス色ではなかった!?ラインカラーの色いろいろ

山手線なら黄緑色、京浜東北線なら水色など、様々な路線に導入されているラインカラー。様々な路線ネットワークを形成する上でも重要なものです。
そんなラインカラーはどんな経緯できまったのでしょうか?今回はその由来について探ってみたいと思います。

ヒントは妻のセーターか

中央線 E233系

茶色ばかりの「国電」で、初めて車体色を導入したのは中央線快速電車の101系。
オレンジバーミリオンの塗装は当時としては珍しく、「金魚」という愛称で親しまれていたそうです。
さて、何故オレンジバーミリオンが採用されたのか?そのきっかけは意外なもので、当時の開発者の妻が着ていたセーターがヒントになっているとか。
中央線快速電車においてはその後登場する201系、さらに現在のE233系にも継承され、オレンジ色=中央線快速のラインカラーとして定着する事になります。

山手線は元々“ウグイス色“ではなかった?!

山手線 E235系

101系はその後も活躍の場を広げ、首都圏では第2弾の投入線区として山手線が選ばれます。
その際には退色などを意識し、複数の案からカナリア色(黄色)が選定されました。
しかしその2年後、山手線にはさらに経済性を意識した103系が導入されます。そこに採用されたのは何とウグイス色(黄緑色)。これを機に、その後もこの色が山手線のラインカラーとして定着してゆく事になります。
さて、山手線を追い出された101系電車はというと、カナリア色のまま中央・総武緩行線に転属。そのまま同線のラインカラーとなり、現在に至ります。
もし歴史が変わっていたら、某家電量販店のCMソングも変わっていたかもしれませんね。

“メトロ”と“タバコ”の意外な関係

東京メトロ 02系

赤色(スカーレット)がラインカラーの地下鉄丸ノ内線。1954年の開業時に導入された赤い電車の300形電車がルーツとなりますが、そもそも何故赤色なのか?
実は当時の営団地下鉄(現在の東京メトロ)の幹部が海外視察に訪れた際に購入した、イギリスのタバコの缶の色からヒントを得たと言われます。当時としては鮮やかな赤色の塗装は斬新だったそうです。
またその後開業する地下鉄東西線では、「ハイライト」のパッケージからヒントを得てスカイブルー(水色)が採用されています。
ー我々が毎日利用している路線のラインカラーにも、意外なきっかけがあるのかもしれません。

【著者】通勤電車ドットコム

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