水森かおり アルバム『歌謡紀行』第20弾をリリース 「持ち歌のご当地ソングは43都道府県、132曲。 シングル盤での全国制覇が最終目標です!」

もしギネスの世界記録に“ご当地ソング部門”があれば、世界一多くのご当地ソングを歌っている歌手に認定されるに違いない――水森かおりが、歌で旅するアルバム『歌謡紀行20~鳴子峡~』をリリースした。
同アルバムには過去のシングル曲7曲に加え、新たに7曲の書下ろし曲が収録され、これでご当地ソングの持ち歌は132曲となった。
同一シリーズアルバムとして20作目の節目を迎えた水森に、改めてご当地ソングの魅力を、そしてデビュー25周年を経て今後に向かっての目標を聞いた。


――『歌謡紀行』も、はや20作目となりました。同じシリーズのアルバムが20作も続くことはあまりないことだと思います。

2002年に第1作となる『歌謡紀行~東尋坊~』をリリースしてから20年あまり、まさかこんなに長く続くとは思っていませんでした。
パート2、3くらいまでは、また出していただけるんだと単純に喜んでいたのですが、回を重ねるごとに思い入れが強くなって、今回は第20弾!ここまで来たかという感じで感慨深いです。

――前作の第19弾は、山口百恵さんやユーミンの曲がカバーされていましたが、今回は、シングル曲、書下ろしの新曲が各7曲という構成になりました。20作目ということで特別に意識したことはありますか。

基本のコンセプトはこれまでと変わっていません。今回も、水森かおりの歌声で日本全国を旅している気分になっていただきたいという思いで作りました。
ただ今回は20作という節目なので、すべてオリジナル曲で聴いていただくことにしました。どこを切っても水森かおりの顔が出てくるという感じです(笑)。

――書下ろし曲の中に、(東京都)北区の飛鳥山を舞台にした曲があります。いわゆるご当地ソングのテーマになる土地のイメージとは違い面白いなと思いました。

どんな場所を歌の舞台にするかは、作家の先生方やスタッフにお任せしています。もちろん、一つの県で3曲も4曲もというわけにはいきませんから、バランスは取っているでしょうし、恋心を抱いた女性が旅をするのに似合う場所、絵になる舞台を探してくださっていると思います。
今回収録した『愛のオルゴール』の舞台になっている北区の飛鳥山は、私の故郷なんです。実家は飛鳥山とは自転車で10分くらいの距離でした。今回、小さいころから遊びに行っていた場所を入れていただいて嬉しいです。曲と直接関係はありませんが、実は私、北区のアンバサダーを務めさせていただいているんです。飛鳥山は、今放映中の大河ドラマ(『青天を衝け』)の主人公になっている渋沢栄一さんがお住まいになっていた場所でもありますし、盛り上げていこうと、いろいろと(PRの)お手伝いをさせていただいているんですよ。

――他にも今回の書下ろし曲の中には『ハートブレイク・ヨコハマ』のようなポップな曲もあって、水森さんの新たな顔を見せてくれています。アルバムということもあり、あえてチャレンジしているという面もあるのでしょうか。

先ほど、歌の舞台を決めるのは作家の先生やスタッフだと言いましたが、どんな歌を歌ってみたいというようなことも、私の意見として提案することはありません。私はいただいた曲を一生懸命歌うだけです。
でも、確かに今回の書下ろし曲は、一曲一曲が際立っていて、シングルの世界観とは違っています。アルバムならではの曲が7曲もありますので、歌っていてとても楽しかったですし、ファンの皆さんにもいろいろな水森かおりの世界を聴いていただけると思います。レコーディングもシングル曲のときのような張り詰めた感じはなく、リラックスムードで、弦(哲也)先生も私がアイデアを出すと「それ、かおりちゃんいいね。そのアイデアでやってみよう!」なんて言ってくださって、楽しく歌えました。レコーディングの雰囲気が聴いてくださる皆さんに伝わればいいなと思います。

――それにしても前作に続いて今回もコロナ禍での『歌謡紀行』になってしまいました。皆さん旅行に行けない中、まさに水森さんの歌声で旅気分を味わってもらえたらいいですね。

今はいろいろ制限もあって、この先どうなってしまうのか不安を抱えながら、でも毎日を一生懸命生きていかなくてはならない。そういう中でこのアルバムを聴いて、少しでも辛いことを忘れていただけたらいいと思います。
今はきれいな景色を見に出かけることもままなりませんが、『歌謡紀行』というくらいですから、このアルバムで旅気分や開放感を味わってもらいたいです。

――ところでこれだけご当地ソングを歌ってきたわけですから、全47都道府県を舞台にしたオリジナルソングをお持ちだということですよね。

今回のアルバムで、オリジナルのご当地ソングは132曲になりましたが、実はまだ、曲の舞台になっているのは43都道府県なんです。後の4県は千葉、徳島、宮崎、福岡。この4県にお邪魔するときはいつも何か申し訳ないなと思いながらステージに立つんですけれど、でも逆にここまでくると、制覇すると終わってしまうからなあなんて思ったりも(笑)。

――とはいえ、いずれは47都道府県を制覇するおつもりですよね。

そうですね。あ、でも都道府県だと47ですが、市町村にまで広げるとまだまだたくさんありますものね(笑)。それにシングル曲だけで全国制覇しようと思うと先は長い。アルバム曲はテレビなどでご披露する機会が少ないですから、そういう意味では影響力のあるシングルで達成したい気持ちはあります。完全制覇への道のりは遠いですから、元気に頑張らなくてはいけないですね。

――ご当地ソングの女王と呼ばれ、昨年デビュー25周年を迎えた水森さんが、ご当地ソングを歌ってきてよかったと思う瞬間はどんなときですか。

それはもういっぱいありますが、やっぱり地元の方が喜んでくださるのが一番。
「かおりちゃんに歌ってもらえて嬉しい」と言っていただけるのが私にとっては一番嬉しいことですが、面白いなと思ったのは、会社を経営していらっしゃる社長さんがいらして、毎回社員旅行の行き先を私の歌で決めているそうなんです。そういう聴き方もあるのかと思って。他にも(曲の舞台が)新婚旅行で行ったところとか、母親の故郷だとか、皆さんそれぞれに思い入れのある曲を楽しんでくださっていると思うと歌ってきてよかったなと思います。
私、ご当地ソングを歌うときに一番気を付けているのは、自分が主人公にならないようにということなんです。私自身は常に曲の世界を俯瞰でとらえて、こういう景色の中をこういう女性が歩いていますっていう、第三者の目線で歌うんです。聴いてくださる方が感情移入できるように、余計な感情を入れて邪魔にならないことが大事だと思っています。その意味では歌い手というより伝え手という感じでしょうか。

――『歌謡紀行20~鳴子峡~』の前にはシングル盤『笑顔でいようね』をリリースされました。水森さんには珍しくポップスです。

私のYouTubeチャンネルの企画で若いクリエーターとご一緒する機会があって、そこで知り合った方のひとりが作られた曲が『笑顔でいようね』でした。
初めて曲を聴いたときに、コロナ禍でこれから自分はどうしたらいいのだろうとか、エンタメの世界はどうなってしまうのだろうとか不安な気持ちを抱えていた私の心がスッと軽くなった、優しく背中を押してもらえた気がしました。
同時に、この曲は私と同じように不安を抱えている多くの方々の応援歌になるのではと思って、『鳴子峡』とは別に、これはこれで今の時代だから皆さまにお届けできる曲ではないかと思いリリースさせていただきました。最初は歌うのに難しいと思いましたが、なじんでくるといい歌だなと。今は新鮮な気持ちで歌っています。

――昨年25周年を迎えられて、そうこうするうちに30年が目の前にきています。デビュー30周年に向けて計画はありますか。

もしコロナもなくていつも通りの日々を送りながら25周年を迎えていたら、30周年に向けていろんなことをやってみたいと思ったと思うんです。でもコロナ禍を経験した後の30周年はまたちょっと違うのかなって。……、何ていうんでしょうか、無事に迎えられたらそれでいいと思うんです。こんなことあんなことをやってみたいという以前に、とにかくファンの皆さんもスタッフも皆、健康で幸せな日々を積み重ねて、まず無事に28年目、29年目を迎えたい。そこからつながるいい30周年だったら……。もうそれしか思えないですね。
『笑顔でいようね』の歌詞のままですが、当たり前に過ぎていた日々は当たり前じゃなかったんだと思うから、今日一日を皆が無事に過ごせたことに感謝して、明日はもっと感謝して、頑張らなきゃという思いでいます。

――最後に全国で水森さんの歌を待っているファンにメッセージをいただけますか。

新曲を出せばキャンペーンで全国におじゃまして、皆さんとお会いできるという通常のことが出来ないままもう2年。今はお客様と一緒の時間を過ごせる場所がとにかく恋しいです。早く元通りになって安心して笑顔で再会できる日を迎えるためにも、今は歩みを止めず、頑張って歌っていきます。また皆さんと笑顔で再会できる日を楽しみにしています。

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水森かおり『歌謡紀行20~鳴子峡~』

2021年10月20日発売
[初回限定盤]CD+DVD / TKCA-75000 / \3600(税抜\3273)
[通常盤]CD / TKCA-75001 / \3200(税抜\2909)

01. 鳴子峡
02. 釧路湿原
03. 最上川
04. 松島紀行
05. 愛のオルゴール
06. ハートブレイク・ヨコハマ
07. 高遠 さくら路
08. ひとり長良川
09. 熊野古道
10. 大阪ひとりぼっち
11. 哀愁土佐路
12. 夜明駅
13. 美ら島めぐり
14. 鳥取砂丘

【初回限定盤DVD収録内容】
1. 鳴子峡 ミュージックビデオ
2. 鳴子峡 字幕入りカラオケ映像

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