ソフトバンク工藤監督〝サプライズ花道〟の舞台裏 孫オーナーの強い意向があった

工藤監督をねぎらった孫オーナー。思いの大きさを示す花束だ(東スポWeb)

8年ぶりのBクラスが確定していたソフトバンクは今季最終戦となったロッテ戦(ZOZO)に15―7の大勝。今季限りで辞任する工藤監督は去就について「日を改めて(話を)させていただきたい」と明言は避けたが、敵地では試合後に異例の光景が広がった。

スタンドに詰めかけたファンへのあいさつを済ませた工藤監督を大粒の雨が降りしきる中、孫正義オーナー(64)が大きな花束を抱えてベンチ前で出迎えた。労いの言葉をかけられ、花束を受け取る姿を王貞治球団会長(81)が笑顔で見守った。孫オーナーは午後8時前に球場に到着。限られた球団関係者にのみ知らされていたサプライズ演出で、孫オーナーの強い意向で実現したものだった。

試合後、孫オーナーは自身のツイッターで「工藤監督、本当にご苦労様でした。7年間で5度の日本一優勝。有難うございます。心から感謝します。」(原文ママ)とつぶやいた。異例のラストシーンが、名将の足跡の大きさを物語っていた。

工藤監督の退任ついて、王会長は「本人がどうしても、と意思が固かった。それを受け入れざるを得なかったので大変残念。これまで彼がチームに残してくれたものは、すばらしいものがある。選手たちもやっとそれを受け継いでやるところだった。本当は来年もまだまだ勝負をしてほしかった」と惜しみ、在任7年で5度の日本一に「ほかに素晴らしい人っていうのは、ごく少数だろう。本当によく頑張ってくれたと思う」と、稀有な実績をたたえた。

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