宿敵リヴァプールとの大一番で0-5の完敗を喫したマンチェスター・ユナイテッド。
クリスティアーノ・ロナウドら攻撃陣が守備で貢献できていない点も指摘されている。
ギャリー・ネヴィルも「プレッシングにはきっかけがなく狙いがなかった。監督とコーチングチームはプレスの方法の責任をとるべきだ。彼らにはその能力がない。ラッシュフォード、グリーンウッド、ロナウドの3人ではボールを奪い返せない。今のユナイテッドはプレッシングができない」などと述べている。
そうしたなか、元イングランド代表FWピーター・クラウチがロナウド問題に触れた。かつてリヴァプールなどで活躍した彼は身長201cmを誇る長身ストライカーだった。
その彼が綴った『Daily Mail』のコラムの一部を抜粋する。
ピーター・クラウチ
「残念だが、ロナウド…前線に突っ立っているのはもはやクールではないよ。
僕は自分のような9番たちのことを心配している。
この新しい時代においては、シティやリヴァプール、チェルシーのハードワークするウィンガーたちが流行のゴールスコアラーになっている。
イングランドでは9番の役割が有名だった。だが、最近のアカデミーを見ると、誰もがウィンガーとしてプレーしたがる。
チーム内で魅力的なポジションだし、そこからゴールを決めることが流行りになっているからね。
前線に立っていることはもはや流行らない。ロナウドが加入した今季はユナイテッドでこの問題が議論されている」
「物事は変わるものであり、新しい時代はすぐにやってくる。でも、僕として寂しいところもあるんだ。
僕はノスタルジックになっているし、歳もとった。それは忘れないでほしい。
現代の試合ではゴールスコアラーに求められることがかなり多くなっている。通常、そのポジションの両脇には速くて強力なウィンガーたちがいる。
CFはそれほどプレッシングに関与するものではなかったが、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラー、サディオ・マネ、ディオゴ・ジョタのリヴァプールを見れば、その役割は大きく変わった。
ベルナルド・シウヴァ、ケヴィン・デブライネ、フィル・フォーデンたちのシティも同じだ。
彼らは全員がすごいハードワークをする。だからこそ、今はただゴールを決めるだけの選手は批判に晒される。
それはペップ・グアルディオラ就任以降のシティがプレミア最強チームになっていることに尽きる。ワークレート(作業量・運動量)によって、あのような強力なチームになっているんだ。
時代最高のチームとして、グアルディオラのバルセロナが全ての起源になった。誰もが彼らを真似しようとしたし、それ以降、僕らはウィンガーたちが決めることができるゴール数に注目するようになった。
サラーとマネがリヴァプールでコンスタントに決めているゴール数を見て欲しい。シティの5人はシーズンごとの得点数が10を超えている。
試合は永遠に進化し続ける。守備では超一流の選手たちがプレスをしている」
「カリム・ベンゼマやハリー・ケイン、ロベルト・レヴァンドフスキなど、よりトラディショナルな選手たちもまだ残っている。まだ死んではいない。
彼らは生き続けているが、彼らが退いたらどうなるだろうか。
また戻ってくるに違いない、僕はそう確信している。
数年後に突然、大きなターゲットマンが現れたら、チームは何が起きたのか分からないだろう。
そういう存在への余地は常にあるものだが、現時点ではそれは流行らない。
ストライカー“組合”の一員として言わせてもらうと、この傾向は心配だけどね」
「オレ・グンナー・スールシャールは間違いなくいい人だ。
でも、彼は素晴らしいスカッドを持っているのに、チームとして戦う(リヴァプールに)完全に負けた。
ユナイテッドはあまりにも長い間、超個人主義だった。ロナウドやブルーノ・フェルナンデス、マーカス・ラッシュフォードらが特別なことができるので、それから逃げてきた。
彼らの監督は最高なのか?彼はトゥヘルやグアルディオラ、クロップと同じレベルなのか?
そういう監督たちだったら、このチームはタイトルレースに食い込んでくるはずさ」
クラウチは自分のようなセンターフォワードは時代遅れになりつつあると悲しんでいるようだ。
【動画】ロナウド、宿敵メッシからボールを奪ったガチ守備シーン
36歳になったロナウドはプレミアリーグでの90分平均のプレス回数がリーグワーストとされている。