栃木県が入院調整数で誤データ報告 「第6波」試算の病床不足→余裕に

栃木県庁

 栃木県は25日、厚生労働省に報告する「新型コロナウイルス感染症患者の療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査結果」のうち、8月25日時点のデータに誤りがあったと発表した。「入院先調整中の人数」で0人とすべきところを、296人と報告していた。

 厚生労働省は入院先調整中の人数について「入院と決定したが、調査時点で医療機関が決定しない人数」としている。しかし県の担当者が事務的なミスで、自宅療養や宿泊療養などを含む「療養先調整中の人数」を入力していた。

 県は誤りに気付き、18日に同省に訂正報告した。同省は29日にホームページ上の資料を差し替えるという。

 訂正後のデータを基に第5波の7~9月で「入院者」と「入院調整中」の合計が最も多かった時点の人数を算出すると、栃木県は284人。国の医療強化方針では第5波ピーク時より入院患者受け入れ2割増を掲げており、栃木県の入院対象は341人となる。

 栃木県の確保病床数は502。誤ったデータだと194床の不足となるが、実際は161床余裕がある試算だ。県は「第6波」への備えとして国の方針に基づき11月末までに病床確保計画を見直す方針としている。

 誤ったデータを基に共同通信が24日、栃木県を含む「16都府県で病床が不足する」との記事を配信。下野新聞社は25日付1面に掲載した。

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