2日続けてゼロ

 どちらも同じ「0」でも、カタカナで書く「ゼロ」と漢字の「零」は意味が微妙に違うらしい。カタカナのゼロは〈まったく無し〉だが、漢字の方は「零細企業」というように〈量や規模がわずかであること、ごく小さいこと〉も表す▲天気予報の「降水確率0%」は必ず「れいパーセント」と読むことになっているそうだ。降水確率はひと桁の数字が四捨五入されていて、5%未満の日は一律に「0%」と表現されるためで〈ゼロではありません〉の意味が込められているとか▲こちらは正真正銘、自然数の「1」より1だけ少ない「ゼロ」だ。県内では一昨日、昨日と2日続けて新型コロナウイルスの新規感染者が報告されなかった▲新規感染者の発表が2日続けてゼロになるのは105日ぶり。もちろん、ウイルスとの戦いはまだ途中経過で、前回の「ゼロ・ゼロ」からわずか1カ月後の8月半ば、県内の感染者が3桁に跳ね上がったことも忘れてはならないが▲東京や大阪でも「今年最少」が伝えられ、国内の感染状況が“小康状態”にあるのは間違いなさそうだ。長く続いた飲食店への時短要請も解除された▲この先、数字がどう動くか-楽観は禁物だし、“第6波”の到来を確実視する警告もある。それでも気のせいか、昨日は秋の空が高く青く澄んで。(智)

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