キリンの餌 残り枝で釉薬 川南の冨岡さん 宮崎市で陶器展

キリンの餌の残りで作った釉薬を使い作品を手掛ける冨岡徳昭さん

 宮崎市阿波岐原町のギャラリー「風の庵」で、陶器の展示販売会「SDGsな釉薬(ゆうやく)」が開かれている。作品の一部は、同市フェニックス自然動物園のキリンの餌で残った枝木を材料に作った釉薬を使用。川南町で窯元「とみ徳」を構える冨岡徳昭さん(52)の力作で、「餌を有効活用しようと陶器に使い始めた。マットな質感が特徴」とアピールしている。

 冨岡さんは9年ほど前に陶芸家となるまでは、植木関係の仕事に従事。同園にキリンの餌となるカシの葉を運び、陶芸家となった現在も請け負っている。届けるのは毎月数回で、葉を食べて残った枝木は回収。以前は自宅のまきストーブで利用していた。
 まきとして使った後の灰は処分するなどしていたが、「陶器で使う釉薬の素材にしよう」と考えた。長年試行錯誤し、2年ほど前に完成。今回の展示販売会では、200点のうち1割ほどがその釉薬を使った作品で、マグカップや茶わんなどが並ぶ。
 冨岡さんは「今回が初めてのPR。廃棄するものを最大限に活用し、今後もいろんな作品を作り続けていきたい」と話している。
 展示販売は午前11時~午後4時。25日まで。

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