【高校発みやざきSDGs】ー33ー宮崎西(下) 課題解決へ感性刺激

ポスターセッションを通して多様な考えを学ぶSTEAМ教育

 本校では、「宮西型STEAMプログラム課題研究」を実践している。STEAMとは科学、技術、工学、芸術・感性、数学分野に関する教育活動であり、それを展開する中で、感性が刺激され、おのずとSDGs課題解決に向かうことを本校の持続可能な教育目標(ESD)としている。
 石川絢子(あやこ)さん(3年)=理数科=の課題研究を紹介する。石川さんは朝の読書をきっかけに女性の平均賃金が男性より低いことに疑問を持ち、「女の子は勉強すれば豊かになれる?」をテーマに研究を行い、OECD加盟国の複数のデータから散布図を作成し、相関係数を計算することで統計的に考察した。その結果、日本はOECD諸国の中でも男女の賃金や高等教育を受ける割合の格差が大きく、理系分野では特にこの傾向が強く見られた。しかし、これら二つの間に統計的な有意性は認められず、他の要因から日本は諸先進国に比べ、女性の社会進出や経済的な豊かさが不十分であると結論付けた。
 石川さんは研究を通して、「疑問に対し科学的に分析する活動を通して、原因を多角的に考える意識が高まった。社会福祉制度の課題も分かり、将来は努力と才能で力を発揮できる建築士になり、次世代の女性の道を切り拓く意識も持つようになった」と述べている。今後も本校はさまざまな場面で生徒の感性を刺激し、生徒がおのずとSDGs解決に向かうようESDの活動を展開したい。
 (指導教諭・東口匡樹)

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