アストラゼネカ社のイミフィンジが胆道がんの生存率を改善 毎年世界でおよそ21万人が胆道癌と診断。予後は不良で、5年生きられる人は多くて15%ほど

アストラゼネカ社は10月25日、イミフィンジ(durvalumab)は、進行性胆道がん(BTC)患者の第一選択治療として、標準的な化学療法との併用により、化学療法単独と比較して有意な全生存期間(OS)の改善を示したと発表しました。また、第III相試験であるTOPAZ-1試験では、主要な副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)および全奏功率の改善が認められました。

毎年世界でおよそ21万人が胆道癌と診断されます。胆道癌の予後は不良で、5年生きられる人は多くて15%ほどです。

イミフィンジと化学療法併用のOSが化学療法単独を上回る

本試験では、切除不能な進行・転移性のBTC(肝内・肝外胆管がん、胆嚢がんを含む)患者685名が登録されました。被験者は、化学療法単独またはPD-L1阻害剤イミフィンジとの併用療法に無作為に割り付けられました。治験責任医師のDo-Youn Oh氏は以下のように述べています。

「TOPAZ-1は、標準的な化学療法に免疫療法を追加することで、このような患者さんに有意な全生存期間の延長をもたらすことを示した初めての第3相試験です」

アストラゼネカ社によれば、独立データモニタリング委員会は、事前に設定された中間解析において、イムフィンジと化学療法の併用療法が化学療法単独療法に比べてOSを改善することを示し、本試験は主要な目標を達成したと結論付けました。

イムフィンジと化学療法の併用療法は忍容性が高く、安全性プロファイルは比較対照群と同様であったとしています。また、有害事象による投与中止率も増加しませんでした。この結果は、規制当局に提出され、今後開催される医学会議で発表される予定です。

ポジティブな消化器系がんでの臨床結果は二回目

トップラインの結果について、アストラゼネカのオンコロジー研究開発担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのスーザン・ガルブレイス氏は、

「イムフィンジと化学療法の併用による有効性が明確に示されたため、TOPAZ-1が早期に盲検解除されたことを嬉しい。生存率の著しい向上が示されたことで、この壊滅的な疾患における免疫療法の治療に新たな時代が訪れると信じています。」と述べた

今月初め、イムフィンジは別の第3相の消化器系のがん対象の試験で良好な結果を得ています。このHIMALAYA試験では、イムフィンジとアストラゼネカの実験的な抗CTLA4抗体トレメリムマブの併用により、バイエルのネクサバール(ソラフェニブ)と比較して、肝細胞がん患者のOSを有意に改善する結果が示されています。

参考英文記事

Imfinzi plus chemotherapy significantly improved overall survival in 1st-line advanced biliary tract cancer in TOPAZ-1 Phase III trial at interim analysis

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