選挙で投票する人の選び方ってどうしたらいいの?若者世代が専門家に聞いてみた

10月31日に衆議院議員選挙(以下、衆院選)が投開票日を迎えます。

選挙に行こう、選挙に行かなきゃ……という動きがSNSでもたくさん見られるようになりましたが、今回の衆院選の投票率は前回と同じか下がるだろうという意見もあります。

選挙に行こうと言われても、いまいち納得感がない。SNSの動きもピンとこない。

そんな20代の若者から寄せられた3つの疑問について、「選挙の専門家」である選挙プランナー・松田馨氏にお話を伺いました。

そもそも、

「どうして選挙に行かなきゃいけないの?」

私たちが、

「選挙に行かないとどうなるの?」

そして、

「投票する人の選び方ってどうしたらいいの?」

私たちの選挙、私たちの1票について、今一度思いを巡らせてみましょう。

どうして選挙に行かなきゃいけないの?

選挙プランナー 松田馨氏(以下、松田氏):

これはよく聞かれる質問ですね。

こういう聞き方をしたということは、もしかして「選挙に行く・投票するのは義務だ」と思っていませんか?

実は、これは大きな勘違いです。

投票に行くことは義務ではなくて、あなたが持っている権利なんです。

なので、選挙に「行かなきゃいけない」というわけではないんですよ。

自分の意思で誰に投票するのか、どの政党に投票するのか決めることができる、これは義務ではなくあなたの権利です。

あなたの権利を大事に使いましょう!

選挙に行かないとどうなるの?

松田氏:

あなたが選挙に行かないと、まず、投票率が下がります。

そして、あなたの1票、あなたの意思が無駄になってしまう。

これら2点が大きな問題です。

投票率が下がり、あなたの意思が反映されないと、投票に行った人たち、つまり限られた人たちだけの意思で政治家が選ばれ、政治が動いていくことになります。

特に日本では若い人の投票率が低く、60代以上の人たちの投票率が高くなっています。ですので、政治家は60代以上の人のことを重く考えて政策を決めていきます。

その結果、若者世代に必要な政策の議論がなかなか進まない……ということが起こっていました。

もちろん、60代以上の人向けの政策も大事なものです。

ただ、あなたが選挙に行かないことで、政治家にとってあなたたちの世代が後回しになってしまう。そういう可能性が高くなるのも事実です。

ぜひ投票に行ってあなたの想いを政治家・政党に託してください!

選挙で投票する人の選び方ってどうしたらいいの?

松田氏:

これはとっても難しい質問です。

まず、大前提として、投票に正解はありません。

あなたができるだけ納得できる投票をすることが大切です。

そのときに重要なのは「あなたが何を大事に思っているか」です。

自分たちの代表を選ぶ選挙ですから、例えば「年代が近い」「性別が同じ」「自分と好きなものが同じ」「自分が大事にしているものを大事にしている」そういった自分との共通点がある、ということを考えてみてもよいでしょう。

政策・関心が一致する人、具体的には「自分のためにこういうことやってほしいな」と思っていることをやっている人を探してみてもよいでしょう。

もし投票先に悩んでいるのであれば、自分と似ている、政策が一致する等、候補者や政党との共通点を軸に探してみてください。もちろん、政策の内容だけでなく、本当にそれを実現できるのかどうか。実現可能性や、政党のこれまでの実績を重視して選ぶのも方法の一つです。

繰り返しますが、投票に正解はありません。

選挙ドットコムの衆院選2021特設サイトや、20の質問に答えると政党との相性がわかる投票マッチングも参考に、自分の納得いく人を選んでくださいね。

選挙プランナー 松田馨 プロフィール

選挙プランナー/PRプランナー/株式会社ダイアログ代表取締役/日本選挙キャンペーン協会 理事・事務局長/日本選挙学会 会員。

2006年7月以降、地方選挙から衆議院総選挙、参議院通常選挙まで250を超える選挙に携わってきた。現職に挑戦する無所属・新人の依頼を数多く引き受け、勝率は七割を超える。

選挙管理委員会主催の勉強会や投票啓発イベントへの出演など、講演実績も多数。若年層の投票率向上を目指し活動する団体への協力や、ネット選挙運動解禁に向けたキャンペーン「One Voice Campaign」発起人など、投票率向上に向けた活動にも取り組んでいる。

著書『残念な政治家を選ばない技術 「選挙リテラシー」入門』(光文社新書)はAmazon「選挙」カテゴリー1位獲得。フジテレビ2017年10月クール月9ドラマ「民衆の敵」の選挙監修を、NHK土曜ドラマ「フェイクニュース」の選挙考証を担当。

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