木星に小天体が衝突 京都大学の観測チーム等が捉える

【▲ 観測された木星の閃光(Credit: OASES)】

10月15日(金)、小天体が木星に衝突したことが原因と思われる閃光を木星の北半球で日本の天体観測家らが観測しました。この出来事は米国のニュースサイト「Space.com」や「Newsweek」、国内では「NHK」などが報じています。

この衝突現象は、京都大学附属天文台の有松亘特定助教が率いる「OASES(Organized Autotelescopes for Serendipitous Event Survey)」によって観測されています。

京大のプロジェクトチームがTwitterに投稿した内容によると、沖縄県の宮古島に設置したPONCOTS観測システムを用いて可視光500-750nm及び889nmメタンバンドの2種類の波長域による同時観測に成功。これは世界で初めての事と言います。

また、投稿された木星の画像はメタンバンドで撮影されため、不気味なピンク色に輝いて見えます。

これと同じ衝突現象は、アマチュア天文家の「よつ(@yotsuyubi21)」さんがセレストロンC6(15cmシュミットカセグレン望遠鏡)を用いて撮影に成功し、TwitterおよびYouTubeに動画を投稿しています。

木星ではその巨大な質量に起因する強力な重力によって、頻繁にこのような現象が発生しています。太陽系に散在している小惑星のような小さな天体は、木星の分厚く乱れた大気に簡単に吸い込まれてしまう可能性があります。

いくつかの研究によると、木星には平均して数カ月毎に小さくとも約45メートル(150フィート)程度の天体が衝突している可能性が示唆されていますが、観測上の制約により最も徹底されたモニタリングプログラムでも1年に1回程度しか捉えられていないのです。

なお、類似の衝突現象はちょうど1ヶ月前にもブラジル在住のアマチュア天文家によって観測されているようです。

【▲ 9月に撮影された木星の閃光(Credit: Jose Luis Pereira YouTube)】

Image Credit: OASES
Source: Space.com
日本語訳/豊原行宏
編集/sorae編集部

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