名簿流出、真鶴町長が辞意表明 自ら不正コピー、選挙に利用

真鶴町の選挙人名簿抄本のコピーを自ら流出したことを認め謝罪する松本一彦町長=同町内

 2019年4月の県知事選で使用したとみられる真鶴町の選挙人名簿抄本のコピーが外部流出した問題で、松本一彦町長は26日、同町内で記者会見を開き、町職員時代に不正に複写して持ち出し、初当選した昨年9月の町長選で利用していたと明らかにし、謝罪した。公職選挙法と地方公務員法(守秘義務違反)に抵触しており、松本町長は辞意を表明した。さらに松本町長は名簿コピーを今年9月の町議選候補者1人にも提供していた。

 町長は辞職時期について「周囲と相談し町職員に負担がかからない時期を見定めたい」と説明した。

 名簿コピーには約6600人分の有権者の氏名、生年月日、性別、住所などの個人情報が記されていた。選挙人名簿は政党の政治活動や公益性の高い世論調査などを目的とする場合は閲覧できるが、コピーは認められていない。町長は「違法であることは認識していた。法を先頭に立って守らなければいけない立場でありながら自分に甘さがあった」と謝罪した。

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