国連、現状では地球の気温が2.7度上昇すると警告

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[ロンドン 26日 ロイター] - 国連は26日、温室効果ガス排出削減に関する現在の公約では、地球の気温が今世紀中に平均で摂氏2.7度上昇することが見込まれるとの報告書を公表した。

31日から英国グラスゴーで開催される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、各国政府はより野心的な削減公約を年内に作成することが求められている。産業革命前からの気温上昇を2度未満、理想的には1.5度に抑えるように軌道に乗せる最後のチャンスとなる可能性がある。

国連の世界気象機関(WMO)は25日、温室効果ガスの世界平均濃度が昨年過去最高となり、世界は気温上昇の抑制に向けた軌道から「大きく外れている」とした。

国連環境計画(UNEP)の年次報告書「排出量ギャップ」では、パリ協定で定めた今世紀の気温上昇を抑えるために必要な排出量と予測とのギャップを測定している。更新された公約では、2030年の予測排出量は前回に比べて7.5%削減にとどまっている。

今世紀中もこれが続けば2.7度の気温上昇となる。前回の報告書で予測した3度をわずかに下回るが、温暖化を2度に抑制するには温室効果ガスの30%削減、1.5度にするには55%削減が必要。

UNEPは、現在の温室効果ガスの実質ゼロに向けた取り組みによって今世紀末までに温暖化を2.2度程度に抑制可能としているが、現状の30年に向けた誓約では主要排出国の削減に明確な道筋が付けられていない。

国連の最新データによると、世界の排出量の約57%を占める143カ国がCOP26に向けて新たな排出削減計画を提出している。これらが完全に実施された場合、30年までに10年の総排出量の約9%になる見込み。

ただ、パリ協定に基づく192カ国の誓約を全て合わせると、30年に10年比で世界の排出量が約16%増加し、約2.7度の温暖化につながると予想される。

グテレス国連事務総長は記者会見で「この報告書は再び雷のように警鐘を鳴らしている。何回の警鐘が必要だろうか。排出量ギャップは、リーダーシップのギャップの結果だ」と述べた。

世界排出量の計約30%を占める中国とインドは、まだ誓約を強化していない。

グテレス氏は「中途半端な対策と空虚な約束の時代は終わらせなければならない。リーダーシップのギャップを埋める時は、グラスゴーから始める必要がある」とコメントした。