WBC王者・矢吹正道陣営がJBCに警告 大手プロモーターとの契約〝破談〟し「営業妨害だ」

WBC世界ライトフライ級王者・矢吹正道(東スポWeb)

WBC世界ライトフライ級王者・矢吹正道(29=緑)の陣営が日本ボクシングコミッション(JBC)に対して〝怒りの警告〟を発した。9月に行われたタイトルマッチを巡り、敗れた前王者・寺地拳四朗(BMB)の陣営が「故意のバッティングがあった」との意見書をJBCに提出。まもなく回答期限の3週間を迎えようとしている。

いまだJBCから正式見解が発表されない中、〝物言い〟を付けられた格好の緑ジム・松尾敏郎会長が26日に本紙の取材に応じ、現在の心境を吐露した。同試合では第9ラウンド(R)に矢吹のヒッティングで拳四朗が右目上をカットして流血。この時の映像がSNSで拡散され、意見書提出も手伝って新王者は一転して〝疑惑〟の目を向けられた。

松尾会長は「あれだけ死に物狂いで頑張ってチャンピオンになったのにネットで悪者扱い。これでは矢吹が報われない」と怒り心頭。しかも、英大手プロモーター「マッチルーム」との契約が成立寸前で〝破談〟になったことも明かす。「雲行きが怪しくなったことで、決まりかけていた契約も白紙。(JBCは)ハッキリ言って営業妨害ですよ。WBCに対して『試合は成立している』と毅然とした態度を取らないからこんなことになるんです」とまくしたてた。

JBC側は28日とみられる回答期限を前に「返事をする方向で手続きを進めている。期限を過ぎない形で行いたい。回答の内容? それは言うつもりはない」としているが、松尾会長は「このままでは〝ヘビの生殺し〟。今、こっちも意見書を準備している。向こうの回答いかんでは意見書を提出し、JBCと全面戦争しますよ」と一歩も引くつもりはない。

果たして、JBCの出した回答に矢吹陣営は納得できるのか。その動向に注目が集まる。

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