軽石、生態系への影響見えず 喜界島では海底にも

 県内各地に大量に漂着している軽石について、県や環境省によると生物や生態系への大きな被害は確認されていない。

 沖縄本島より早い今月10日頃に漂着が始まった鹿児島県喜界島では、一部で幼魚が打ち上がった事例はあったが生物への大きな影響は確認されていない。大潮の日に打ち上げられた砂浜の軽石は残るが、海面の軽石は流されて減っているという。

 軽石の影響として、海面を覆うことで日光が遮られ、サンゴなどの光不足が懸念される。環境省沖縄奄美自然環境事務所によると、大規模なサンゴ礁がある慶良間や八重山に大量の軽石は漂着しておらず、現時点ではその他の影響を含めて特に報告はない。

 喜界島のNPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所が25日に海中を確認すると、局所的に10センチほどの軽石が沈んでいたが、サンゴ礁を埋めるほどではなかった。

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