西海市職員の懲戒処分に違法判決 マイナンバー申請紛失 長崎地裁

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 長崎県西海市がマイナンバーカード交付申請書を紛失した問題を巡り、上司への報告を怠ったとして懲戒処分を受けた男性職員が処分は不当として市に取り消しを求めた訴訟で、長崎地裁(天川博義裁判長)は26日、処分は違法として市に取り消しを命じる判決を言い渡した。
 判決によると、市大島総合支所で2018年、担当職員の事務遅滞により申請書など84件が紛失していたことが発覚。本庁に勤務していた男性は、支所の事務遅滞に気付いていながら上司への報告を怠ったとして減給10分の1(6カ月)の懲戒処分を受けた。
 天川裁判長は、男性が上司に詳細を説明しなかったとして「事態の深刻さを正しく認識し、問題意識とともに正確に報告し、相談すべきだった」と指摘。報告義務違反を認定した。
 一方、支所の監督責任と比べ男性の責任は間接的なものにとどまる点や、事務遅滞を把握した時点で支所の担当職員に働き掛けて職責を果たした点などを挙げ「(処分は)公正性に反し、裁量権を逸脱、濫用(らんよう)するもの」と判断した。
 男性は取材に「市には職員の弁明にも耳を傾ける、働きやすい職場環境を求めたい」と語った。市は「主張が認められず大変残念。判決内容を精査し、今後の対応は弁護士と協議したい」としている。