米政府の機密情報提出要求に対し、当初拒否の姿勢をみせていた台湾TSMCが一転協力に舵を切ったことで、韓国のサムスン電子もこれに協力する方向であることが分かった。
参考記事:韓国紙「台湾TSMCが一転、米に機密情報提出へ…」「サムスンへの風当たりが強まる」
米国は各国の半導体メーカー代表を招集して先月23日に会議を開き、45日以内に主要顧客や注文量、在庫などの重要な営業秘密を提出してほしいと要請した。提出が無い場合は戦時法で強制収集する方向であることも示唆した。
営業秘密が流出すれば、各企業の経営戦略に致命的な影響が出ることから、韓国ではこれに反対・懸念する声が圧倒的だった。一方で、台湾TSMCはこれに断固反対すると伝えれた。
しかし、TSMCが一転、これに協力するとの台湾紙報道が最近出たことから、韓国でもこれを拒否すれば、韓国企業だけが逆風を受けるとの懸念が出ていた。
そのようななか、聯合ニュースTVは26日、サムスン電子のキム・ギナム副会長が「色々なことを考慮してじっくり準備している」と述べたと伝えたす。
聯合はこれについて、「水位(レベル)の問題であるだけで、結局は提出するという意味」と解釈している。
聯合ニュースTVは、米国の情報要求の理由が、半導体需給難の解消に加え、対中国の安全保障戦略に直結することから、「情報レベルに対する調整は必要だろうが、やむを得ず情報を提出するしかないだろう」という専門家意見を伝えた。
一方で、中国牽制は今後も続くことから、今後も韓国企業への情報提供要求が増える可能性についても指摘した上で、「生産基地の構築から販売まで、我が国の企業は米・中紛争を考慮した戦略を組むべき時代を迎えている」と伝えた。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、
「米国が知りたいのは半導体価格談合や独占禁止法違反事項を調査するためだ。小さな問題でも明るみになった日には天文学的な課徴金を科される可能性がある」
「要は中国と取引するなということ」
「ほんと我が国は力が無いものだから…」
「…営業秘密の要求は中国でさえ言わないのに、米国が言うという…それでも米国が正義であるかのように幻想する…」
「アメリカやり過ぎじゃない?」
「情報提出には反対。最小限のものだけ提出して、それでも圧力かけるなら提訴の準備も」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
参考記事:韓国紙「台湾TSMCの日本進出はソニー技術者を奪う狙い」「政府の一方的補助金は国民不利益に」