2021衆院選ながさき 長崎新聞世論調査 選挙区別の分析 長崎2区

(左から)加藤竜祥氏 、松平浩一氏

 自民新人の加藤竜祥候補が優位を保ち、立憲民主前職の松平浩一候補が追う展開となっている。
 加藤氏は、農林水産副大臣も務めた父寛治氏から引き継いだ後援会に加え、自民議員団や農政連などが支える党営選挙を繰り広げる。自民支持層の8割超を手堅くまとめる半面、連立を組む公明は約5割と伸び悩む。
 選挙戦では自公政権の継続を訴え、島原半島で盛んな農業など1次産業の活性化、地域高規格道路「西彼杵道路」や「島原道路」など2区内の課題である交通インフラ整備に取り組むとアピール。公示の約1カ月前に擁立が決まり準備と知名度不足が懸念されているが、地元の島原半島をはじめ、都市部の諫早市などでも先行し、満遍(まんべん)なく支持を広げている。
 年代別では20代の6割超を、50、60代もそれぞれ半数を押さえている。職業別では、農林水産業や学生などで特に支持率が高い。
 比例北陸信越からくら替えした松平氏は、立民、国民民主支持層のそれぞれ8割超を固め、社民も十分に取り込んでいる。県内4選挙区で唯一の与野党一騎打ちとなる中で野党共闘が一定、奏功している格好。維新の6割弱にも食い込んでいる。無党派層で相手を上回っており、追い上げの鍵を握りそうだ。
 選挙戦では現政権のコロナ対策などを批判し「利権政治から国民目線の政治」への転換を主張。年代別では、子育て世代の30代で5割弱の支持を集めて加藤氏を引き離し、年金世代の70代以上も拮抗(きっこう)している。職業別では契約社員やアルバイトなどの非正規労働者層でリードする。西彼長与町でほぼ互角の戦いを演じる一方、松平氏が“ゆかりの地”として注力している島原市などで加藤氏の先行を許している。

【長崎2区】(届け出順)
松平 浩一候補(47)=立民・前
加藤 竜祥候補(41)=自民・新

© 株式会社長崎新聞社