米通信当局、中国電信の事業免許を取り消し 安全保障上の懸念で

© BBCグローバルニュースジャパン株式会社

米連邦通信委員会(FCC)は26日、中国の通信大手・中国電信(チャイナテレコム)のアメリカでの事業免許を取り消した。「国家安全保障」上の懸念が理由だとしている。

FCCの決定を受け、中国電信は60日以内にアメリカでのサービス提供を停止しなければならない。

米政府関係者は、中国政府が中国電信を統制していることから、中国政府が「アメリカの通信網にアクセスし、データを保存し、通信網を混乱させたり誤った経路で送らせたりする」可能性があると説明。「アメリカに対するスパイ活動や、その他の有害な活動を行う」ことが可能になるとしている。

20年近くにわたりアメリカで通信サービスを提供してきた中国電信は、今回の決定に「失望した」としている。

同社は声明で、「顧客へのサービスを継続しながら、利用可能なすべての選択肢を追求する方針」だと述べた。

110カ国に数億人の顧客

中国電信は中国の通信市場を占める3社のうちの1社。110カ国に数億人の顧客を持ち、ブロードバンド・インターネットから携帯電話、固定電話ネットワークに至るまで、幅広いサービスを提供している。

FCCが今回の決定を発表する数時間前、ジャネット・イエレン米財務長官は中国の劉鶴副首相と世界経済の状況について電話会談を行った。

この電話会談は、ここのところ貿易や台湾をめぐり対立していた2つの超大国の関係改善の兆しだとみられていた。

中国企業に対する措置

2020年4月、FCCは中国電信が「中国政府による搾取や影響、統制を受けている」として、同社のアメリカ事業を閉鎖する可能性があると警告していた。

FCCは中国電信が「独立した司法の監視(中略)なしに、中国政府の要求に応じることを強いられる可能性が高い」とした。

同委員会は国家安全保障上の懸念を理由に、中国の通信企業を対象とした措置を講じている。

昨年には、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)を米ネットワークへの脅威だとして、米企業がこれらの中国企業から機器を購入することを難しくした。

2019年には、中国移動(チャイナ・モバイル)のアメリカでの事業免許を取り消した。中国政府が支援する中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)とパシフィック・ネットワークスに対しても同様の措置を取った。

米政府はいずれのケースについても、中国政府が企業を利用してアメリカに対するスパイ行為を行ったり、アメリカの国益を損なったりするリスクがあるとしている。

(英語記事 US revokes licence of top Chinese telecoms company