【ドラッグストア協会】OTC薬販売ルール遵守徹底を会員に呼びかけ/実態調査を控え

【2021.10.27配信】日本チェーンドラッグストア協会は厚労省が毎年実施している医薬品販売実態調査の今年度の実施を控えていることから、会員企業に対してOTC薬販売ルールの遵守徹底を呼びかける通知を発出した。同協会の池野隆光会長名で10月25日付けで出したもの。これまでの調査結果で適正販売の割合が70%台以下の項目を重点対象として設定。「濫用の恐れのある医薬品の適正販売」、「第一類医薬品の文書を用いた情報提供」、「第一類医薬品の情報提供内容の理解の確認」の3項目を重点対象とし、特に対応強化を求めた。

重点対象3項目設定、「濫用の恐れのある医薬品の適正販売」/第一類医薬品「文書を用いた情報提供」/同「情報提供内容の理解の確認」

「市販薬販売ルールの遵守徹底のお願い」を池野会長名で通知した。

通知では、厚生労働省が実施する「医薬品販売制度実態把握調査」の近年の推移を紹介。
今年9月に公表された直近の2020年度調査の結果では、ドラッグストア(店舗販売業)の成績は前年と比べ全体的に改善し、特に一昨年NHK 等の全国メディアで取り上げられた「濫用の恐れのある医薬品」の適正販売の割合は着実に改善してきていると説明。

具体的には、「濫用の恐れのある医薬品」の適正販売の割合は2019年公表の51.9%から、2020年公表では69.1%、2021年公表では73.4%に改善している。

この背景について、「2019年10月の理事会で『市販薬による10代の薬物濫用撲減宣言』を決議して以来、業界をあげて濫用問題に取り組み、『原則一包装しか販売しない』ことを徹底してきた成果」として、会員の尽力に謝意を示した。

また、協会が実施した「濫用薬」を対象にした「レジ·アラート·システムの導入状況調査」では、会員店舗の約79.0%が導入(予定を含む)していることが判明している。「このような企業独自の取り組みも改善に寄与したことが窺えるところ」(同協会)とする。

一方で、「濫用薬」に関する適正販売の遵守率は73.4%と、70%台にとどまっていることを問題視。「逆に『質問されずに複数個購入できた』が 26.6%あることを意味する。また、第一類医薬品が対象の『文書を用いた情報提供(68.1%)』と『情報提供の内容の理解の確認(75.1%)』も70%台以下」と問題点を指摘。

協会では、10月22日の理事会で適正販売割合が70%台以下の3項目を当面の重点対象として、販売ルールの遵守微底に取り組むこととしたという。

重点対象と対応のポイントとして以下を列記した。
1、<濫用の恐れのある医薬品の適正販売(質問されずに複数個購入26.6%の根絶)>
■「原則一包装しか販売しない ことを徹底する
■二包装以上の購入希望者には必ず理由を確認する

2、<第一類医薬品「文書を用いた情報提供」>
■薬剤師に対し遊守を徹底する

3、<第一類医薬品「情報提供内容の理解の確認」>
■薬剤師に対し遊守を徹底する。確認のために必ず声かけする

同調査は毎年11月〜翌年2月頃に実施、9月に結果が公表されている。
同協会では、今年度の実態調査はまもなく始まることから、会員企業に対し、「この対応策を基本に、独自の知恵と工夫を加え、販売ルールの遊守徹底に取り組まれますことをお願い申し上げます」と呼びかけている。

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