【ソッカー部(男子)】10年越しの想い今宵結実!橋本の決勝弾で死闘に終止符 第21節 Vs早大 兼第72回 早慶サッカー定期戦

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10年越しの観客の瞬間を迎えた

1部残留に向け一戦も落とせない慶大は宿敵・ワセダとの試合に臨んだ。前半から両チームが好機を演出する中、慶大は24分にPKから失点を許す。すぐさま小山内慎一郎(総4・青森山田)のゴールで同点に追いついた慶大だったが、35分に空いたスペースを狙われる形で勝ち越し弾をくらう。それでも前半終了間際に右サイドから中央でボールを受けた飯塚亮貴(法4・慶應義塾)が流し込み2-2で前半を折り返す。後半は早大がボールを回す時間が増え苦しい状況が続いたが、DF陣を中心に決定機を与えず。スコアが動かずこのままタイムアップかと思われたロスタイム、左サイドでボールを受けた橋本健人(総4・横浜FCユース)が切り込み放ったシュートがゴールに吸い込まれ逆転。慶大が激闘を制し、10年ぶりのクラシコ勝利をつかみ取った。

2021/10/24(日)17:00ko @味の素フィールド西が丘

【スコア】

慶應義塾大学3―2早稲田大学

【得点者】

0-1 24分 植村洋斗(早稲田大学)

1-1 28分 小山内慎一郎(慶應義塾大学)

1-2 35分 駒沢直哉(早稲田大学)

2-2 42分 飯塚亮貴(慶應義塾大学)

3-2 90+2分 橋本健人(慶應義塾大学)

慶大出場選

DF 酒井綜一郎(政4・慶應)
DF 山口紘生(商1・國學院久我山)
DF 谷本竜一(総4・FCトリプレッタユース)
DF 平田賢汰(法4・慶應)→HT 松本雄太(商4・國學院久我山)
MF 山本献 (商2・國學院久我山)
MF 北澤快(総4・國學院久我山)→63分 	新津裕也(文4・上田)
MF 小山内慎一郎(総4・青森山田)
MF 橋本健人(総4・横浜FCユース)
FW 飯塚亮貴(法4・慶應)→HT 古川紘平(政3・学習院)
FW 宮本稜大(商3・國學院久我山)→63分 山田大敬(総4・京都サンガF.C.U-18)→90+4分 田嶋凛太郎(総4・三菱養和SCユース)
絶対に負けられない戦いが幕を開けた

コロナ禍によりリーグ戦での開催となった2021年早慶クラシコ。慶應はこの試合、負ければ来季の降格が決定する大一番だった。ソッカー部は、リーグ戦で厳しい戦いを強いられていた。負ければ2部降格、勝てば残留に望みが繋がる大一番。リーグ戦として行われた早慶クラシコは、ソッカー部にとって例年以上に大きな意味を持つものだった。今年の早慶クラシコは、スタメン発表から驚きの連続だった。早稲田大学はGK以外のフィールドプレイヤーが全員3年生以下の編成、慶大ははMF北澤快(総4・國學院久我山)などの抜擢がみられ、当初のスタメン予想とは大きく異なる22人の選手によってキックオフを迎えた。絶対勝利を目指す慶大は、前半から果敢に早大陣地に攻め込む。全体的に見れば早大がボールを支配するシーンが目立ったものの、慶大守備陣がデュエルで負けずに早大の攻撃をはじき返した。しかし、先制点は早大から生まれた。DFの裏を衝くロングボールに反応したGK村上健(政1・國學院久我山)が、早大FW駒沢直哉(スポ1・ツエーゲン金沢U18)と交錯、PKをとられてしまう。これを早大MF植村洋斗(スポ2・日本藤沢)が冷静に決め先制される。悪くない流れであっただけに、このままずるずると引き下がってしまうことが危惧された。

先発に起用された北澤

しかし、この日のソッカー部は一味違った。サイドを起点にボール保持し好機を伺っていた慶大は、28分、左サイドの空いたスペースに平田賢汰(法4・慶應)が侵入する。つり出された相手ディフェンスのスペースを利用して中央までボールを繋ぎ、最後はボランチの位置から駆け上がっていた小山内がGKのニア上にシュートを決めて同点に追いつく。 以降も堅実な守備で早大の攻撃を跳ね返していた慶大。だが、その守備の逆手を取る格好で早大に2点目を奪われてしまう。ミドルサードより自陣ゴールに近い部分ではリトリート守備を行っていた慶大。ウィングバックが前に出たスペースを、ボランチが下がって埋めるほどのセーフティさであった。そうなると、2列目とDFの間、いわゆるバイタルエリアが空いてしまい、早大の2点目の起点となった早大MF植村洋斗のドリブルもこのエリアから切り込んだものだった。しかし、この2点目を除けば慶大はほとんどワセダに決定機を与えなかった。主将の酒井綜一郎(政4・慶應)を中心に魂のディフェンスを見せ、早大に追加点を与えない。すると、今度は右サイドからの崩しで慶大が見せ場を作る。パス交換で抜け出した山本献(商2・國學院久我山)のクロスを冷静にトラップした飯塚が右足を振りぬき、再度同点に追いつく。その後両チームチャンスは作ったもののゴールに結びつかず、2-2のまま前半を終える。

得点直後、喜び合う選手たち

合計4得点が生まれた前半とは打って変わって、後半は落ち着いた展開となる。両チームDF陣が奮闘し、なかなか決定機は生まれない。55分、慶大に最初のチャンスが生まれる。左サイドからのクロスに宮本稜大(商3・國學院久我山)が合わせるもキーパー正面。続く57分には橋本健人(総4・横浜F.C.ユース)が巧みなドリブルで持ち上がり北澤へパス。ペナルティエリア内に侵入したがシュートにはつながらない。徐々に慶大が攻勢を強める。しかし60分台に入ると徐々に早大の流れに。早大MF安斎颯馬(社1・青森山田)に攻め込まれ左足でのシュートを許したがここは前半から何度もマッチアップしている谷本竜一(総4・FCトリプレッタユース)がブロック。その後も慶大DF陣が粘りを見せる。87分、左サイドを駆け上がった橋本のクロスに山田大敬(総4・京都サンガF.CU-18)が合わせる。キーパーと1対1の決定機だったが惜しくもバーの上。逆転ゴールへの期待が高まる。

右サイドを上がる山本

アディショナルタイムに入り92分、橋本がまたも左サイドを駆け上がり、相手DFをスルスルとかわしてペナルティエリア内へ。難しい角度だったが左足を振りぬいた。橋本のソッカー部の想いを乗せた渾身のシュートがゴールネットを揺らした。大興奮の慶大応援スタンドに駆け寄る橋本。劇的ゴールを決めたこの日のヒーローは、大きなガッツポーズを見せた。アディショナルタイムも残り1分少々。早大が決死の攻勢を仕掛けるが実らず。歓喜のホイッスルが鳴り響いた。両チームの選手たちがピッチに倒れこむ姿は、単なるリーグ戦の1試合ではない、この一戦の大きさを物語っていた。慶大にとって10年ぶりの定期戦勝利、そして1部残留に望みをつなぐ大きな白星。西が丘の夜空に、若き血が響き渡った。

ゴール直後雄叫びを上げる橋本

10年越しの想いが実を結び、歴史に名を刻んだソッカー部。ただ、選手たちの視線は既に次の戦いを見据えていた。負ければ即降格が決まる次節は水曜日。早大戦から中2日とコンディションは不安が残る。しかし、もうそんなことは言ってられない。絶対残留へシーズンも残すところ1週間。諦めずに応援して下さるファンの思いを乗せて、「強い慶應を残す」ために全てを出し切れ。

関東大学サッカーリーグ順位表はこちら→https://www.jufa-kanto.jp/league_data.php?keyno=5&ctg=1

(記事:飯野広太郎、松田英人 写真:田中清暁)

淺見友峰監督

ーー試合を振り返って

よく踏ん張ってくれました。アディショナルタイム、橋本のスーパーゴールで学生の意地を見せてくれてことには正直驚きました。

ーー北澤選手起用の意図は

エレガントさを発揮して欲しいという意図でした。

ーー後半は苦しい時間帯が続きました

95分間苦しかったですが、後半は特に苦しかったです。ディフェンスラインにアクシデントがあった中、後半無失点に抑えられたのは大きかったですし、急遽のコンバートでよく役割を発揮してくれました。

ーー残り2節です

変わらず全力で準備したいと思います。

酒井綜一朗主将(政4・慶應)

――まず今日の早慶戦をふり返っていただいて

まず10年ぶりの勝利ということでゴールを決めた選手を振り返ってみると小山内、飯塚、橋本すべて4年生で4年の意地を見せれたかなと思います。

―― 前節の流経戦悔しい敗戦。今日に向けてどういう準備をして臨んできたか

前節の流経戦が、監督がおっしゃっていたんですけど勝負の分かれ目といわれていました。負けてしまったので今日の試合は崖っぷちで、勝ち点3以外は降格が決まってしまうので早慶定期戦という前に、残留のためしっかり戦わないとという気持ちで臨みました。

――ご自身のプレー振り返って

自分のプレーはいつも通り、早慶戦で少し気持ちが高まった部分もあるんですけど、守備は規律なので慶應らしい守備、そこからの攻撃が展開できたかなと思います。

――早慶戦に勝利して

小さいころからのあこがれの舞台で、実際自分が出るってことは出れない選手もいるわけで、いろんなところでみんなが戦ってくれている。そんな思いも背負って勝てたというのは本当に人生の中で1、2を争うくらいうれしいことです

――次戦への意気込み

しっかりとこの後切り替えて、次3日後の駒大戦に向けてしっかり準備しないといけないので、明日の練習から一丸で頑張りたいと思います。

橋本健人選手(総4・横浜FCユース)

ーー10年ぶりとなる早慶クラシコ勝利おめでとうございます。今節では後半アディショナルタイムに決勝点を決め、チームを勝利に導く活躍でしたが、ゴールを決める前どんなことを考えていましたか

今日はリーグ戦の一試合ということで、僕たちは(リーグ戦で)勝てていない現状があって、負けると降格、引き分けても厳しい状況だというのはわかっていました。かつ、慶應としては10年早慶定期戦に勝てていないという、2つの大きなものを背負ったうえで試合に臨みました。どこかで必ず1つや2つチャンスは来る,というのをずっと信じてプレーしていたので、最後10番の松本(=雄太、商4・國學院久我山)が良いボールをくれてゴール前で良いボールの持ち方ができたので。今日は自分の日だ,自分が決めると信じてシュートを打ちました。

谷本竜一選手(総4・FCトリプレッタユース)

ーー試合を振り返って

僕が入学してから早稲田に勝てていなかったので、なおかつ今日負けたら降格ということもあり絶対に勝たないといけないゲームだったので全員気合いが入ってました。その中で相手選手も速くて自分的には苦戦したのですが、何とか後半を0点に抑えることができたのは良かったと思っています。

ーー今の率直な気持ちを聞かせてください

自分が慶應に入ったのも早慶戦に出たい気持ちが強くて、そういう部分があって慶應に入ってきたので。実際に3年間勝てていない中で、最後4年目でこういう形で勝つことができて非常に嬉しかったです。