中国の研究者、氷河を「布団」で覆い保護 融解減速に効果

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中国の研究者、氷河を「布団」で覆い保護 融解減速に効果

15日、達古氷河をシートで覆う研究者ら。(成都=新華社配信)

 【新華社成都10月27日】中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州黒水県にある達古氷河が「布団」で覆われた。氷河の融解を減速させる「地球工学」の実験だという。中国科学院西北生態環境資源研究院氷凍圏科学国家重点実験室の研究者が、500平方メートルにわたり新型ナノ材料のシートを敷き詰めた。

 達古氷河管理局の関係資料によると、同氷河は1万年前の第四紀氷河時代に形成された希少な現代氷河で、面積は0.41平方キロ。10本の氷河が発達している。

中国の研究者、氷河を「布団」で覆い保護 融解減速に効果

達古氷河をシートで覆う実験現場。(8月16日撮影、成都=新華社配信)

 同実験室の王飛騰(おう・ひとう)副主任は「氷河は西部地域の重要な水資源の供給源だが、気候温暖化などにより、達古氷河は過去50年間で70%も融解した。水の安全保障や下流の生態環境に大きな影響を与えている」と説明。人工的手段により氷河の融解を遅らせ、氷河地域の生態環境を保全することが急務だという。

 達古氷河が「布団」で覆われるのは今回が初めてではない。王氏は昨年8月、研究者を率い、標高約5千メートルにある千年前に形成された氷河をジオテキスタイル(土木工事に用いられる補強・排水用繊維シート)で500平方メートルにわたり覆い、太陽光による融解を防いだ。

 「効果ははっきりと表れた。『布団』で覆ったエリアは氷河の融解が1.5メートル遅くなった」と王氏は説明した。今回使うナノ材料の「布団」はより効果的で、日射反射率が90%以上と予想され、回収もしやすいという。

 今回の実験は、達古氷河風景区の17号氷河で実施された。実験内容には氷河の融解減速や定量観察だけでなく、氷河の保護と氷河観光資源開発の相互作用の模索も含まれている。氷河保護と合理的開発の折衷点を総合的に見出すのが目的だという。(記者/高健鈞)