オリックスが宮内オーナーら歓喜の10人胴上げ 中嶋監督「みんなの力が結集した」

胴上げされる宮内義彦オーナー(東スポWeb)

オリックスが25年ぶりの優勝を成し遂げ、無観客の京セラドームで中嶋監督が宙を舞った。27日は夕方から選手が球場に集まり、大型ビジョンでは楽天―ロッテ戦(楽天生命)が映し出された。試合中はジョーンズが外野で愛息とキャッチボールをするなどリラックスムードだったが、楽天リードの終盤から一塁ベンチに選手がユニホーム姿で集まり始め、ダッシュのスタンバイ。優勝が決まると宗を先頭にマウンドに走り、中嶋監督を囲んだ。

クイーンの「伝説のチャンピオン」が流れる中、指揮官は指で「3回」と表し、その通りに3度の胴上げ。さらに歓喜の輪の中に御年86歳の宮内オーナーが登場。周囲が「やさしくね」と声かけし、ゆっくりと5度宙を舞った。

歓喜の瞬間はまだ続く。ケガで離脱中だった選手会長の吉田正、ベテランのT―岡田、海田、能見、安達、比嘉、ジョーンズ、山本と計10人が胴上げされた。選手の喜びの声が無観客のドーム内に響き渡り、スタンドで見守ったBsGirls、タレントのたむらけんじらの涙を誘った。

長年の低迷を打ち破った中嶋監督は「胴上げは非常に怖いイメージがあったけど、うれしかった。どう転ぶか分からなかったけど、いい戦いができたと思う。2年連続最下位からのスタートで、どうにかそれを変えようと選手には言ってきた。絶対にトップを取ってやろうとやってきた。ケガ人が出てもしがみついてやってこれた。一人ひとりの力が結集した」と胸を張った。

25年前に故・仰木監督のもとで選手として歓喜の輪を経験したが「いろんな方が監督をされてチャレンジし、悔しい思いをしたと思う。仰木監督には〝やりました〟と…。25年かかったけど、今いる選手が経験を積んでほしかった。新たな歴史を作ってほしい」と感慨深げに話した。

25日の楽天との最終戦を勝利で終え、完全燃焼。ロッテの敗戦待ちの状態となったが「やり切った感があった。ロッテに〝負けてくれ〟じゃなく、ホントによく戦ったなあと…。何も考えずに寝てました」。それでも「昨日、ヤクルトの試合を見てて、優勝っていいな、と思った。できることならしたい、と思って今日を迎えた」という。

2年連続最下位、6年連続Bクラスのチームを実質就任1年目で頂点に押し上げた歴史的〝痛快V〟。ポーカーフェースが笑顔にあふれた。

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