【新日本】飯伏幸太が激白「G1優勝決定戦衝撃決着」の裏側と復帰への思い

声をかけるオカダ。飯伏は試合後に謝罪した(東スポWeb)

新日本プロレスの飯伏幸太(39)がインタビューに応じ、現在の心境を激白した。「G1クライマックス」優勝決定戦(21日、日本武道館)でフェニックススプラッシュを放った際に負傷し、オカダ・カズチカに無念のレフェリーストップ負け。衝撃の結末の裏で、いったい飯伏に何が起きていたのか? そしてオカダとの再戦、復帰への思いとは――。

――不本意な形で終わってしまったが、改めてG1を振り返って

飯伏 誤嚥性肺炎から(9月に)復帰してすぐG1が始まって。シングルが続いて、自分でも波があったというか。「お、今日は調子がいいぞ」って思ったら(別の日になると)あれ、今日は全然体調が違うみたいな。(調子が)上がっていくタイミングがなかなかつかめなかったですね。

――万事が順調ではなかった

飯伏 もちろん3連覇は目標に掲げてたけど、やっぱり途中からそういうのも考える余裕もなく。その日、その日で自分に勝つ。どう乗り越えるか、それだけでしたね。

――優勝決定戦時点でのコンディションは

飯伏 手ごたえはあったし、流れをつかみそうだな…って時にやってしまいましたよね。

――フェニックススプラッシュの時点の心境

飯伏 自分の中ではやっぱり焦ってましたよね。早く決めたい。何とかして決めようと。

――同技に関しては世界有数の使い手。実戦での失敗は記憶にない

飯伏 初めてですね。それには原因があって、体重のコントロール。今回、それまでに体重が減ったり増えたりして。フェニックスの練習はできてたんだけど、波がありすぎて。あれって100グラム違ったら全然(感覚が)違う。それくらい高度な技なので。それが、KENTA戦(18日)から当日で3キロも違ってて。優勝決定戦に向けて意図的に増やしてたんですけど、疲労もたまっていただろうし…体重は間違いなく(影響が)あったのかなと。

――誤嚥性肺炎の時から続く体重増減で感覚が狂ってしまっていたと

飯伏 映像も見ましたけど、よく見るといつもよりもやっぱり重い。低い。(セットした)相手の位置も近い。近く飛ぼうとしたから、その分ジャンプはしないようにするのもあったし…。

――不完全な形で落ちてしまい右肩を脱臼

飯伏 脱臼したことは分かったんだけど、今回に関しては(気付くまでに)ラグが4秒くらいあった。顔を打ったからなのか、アドレナリンだったのか、それは分からない。でも立ち上がろうと動いた瞬間に外れた感覚がバッと来て。これは動けない、もう勝てないと思って、オカダさんに「クリーンに3カウント入れてくれ」ってジェスチャーをしたんですよ。

――確かに試合後オカダに3本指を突き立てフォールを訴えていた

飯伏 もう終わっていたのに、(自分は)試合が終わったことを分かってなかった。顔を打ったからですかね。ということはやっぱり(レッドシューズ)海野さんは適切な判断をして止めてくれたんだなって思いますね。

――試合後のリングではしきりに謝罪していた

飯伏 みんな「謝る必要ないよ」って言うんだけど…。自分の考えとしては、みんな高いおカネを払って、しかも平日に見に来てくれてるのに、やっぱり変な空気では終わりなくなかったというか。しかも最後の最後に。ファンにも対戦相手にも申し訳なかったですね。

――整復はリング上ではなく医務室に戻ってようやくできたと聞いた

飯伏 昔(※2010年のBOJJ優勝決定戦で左肩を脱臼)は試合中に入ったけど、いまは筋力がありすぎて。ヘビー級で、ジュニアの時とは違うから、肩が力ありすぎて入らないと言われて。痛み止めを打って、医務室で5~6人がかりで肩を入れてもらったんです。

――再戦を望むオカダは4代目IWGPヘビー級ベルトを挑戦権利証替わりに保持。言動はどう映っているのか

飯伏 (IWGPヘビーを)復活させたいんじゃいのかなっていうのと、でもそうしたら俺とか内藤(哲也)さんとかSANADAさんとか(エル・)デスペラードとか、試合してきた人たち…。そのあとも鷹木信悟が現王者でやっていて…。ちょっと意図は分からないですけどね、まだ。でもなんで今まで通り(権利証)じゃないのかなっていうのは、おかしいよねって。

――ピンと来ない

飯伏 いや、ピンと来る、逆に言えば。なぜ飯伏幸太なのかっていうのもなんとなく。自分がIWGP世界ヘビーを新設したから。初代王者を倒したらIWGPヘビーが復活できるんじゃないかって(オカダが思っているのではないかと)、直感だけど思ってしまう。どうしてもそれは。

――ともあれ再戦は大きなテーマだ

飯伏 中途半端に終わったのは自分でも後悔している。向こうもそこを分かっている。だからあれの続きをやろうよって意味もあると思う。じゃないと本人も納得しないだろうし。肩が外れてなかったら試合は続いていたわけで、その続きは自分も気になりますしね。

――精密検査の結果は右肩関節前方脱臼骨折と関節唇損傷。全治期間は2か月と診断された

飯伏 もちろんできる限り早い方がいいけど、焦らず、完全に治してから復帰したい。そうじゃないと、仮にまた(肩が)外れた場合はもう、相手にも失礼だし。

――10年6月の左肩脱臼時は11年9月に再び外れてしまい手術。長期欠場した

飯伏 その経験があるので。気持ちとしては一日も早く。だけど焦らず。完璧に治した状態の、さらに進化した飯伏幸太で、もう1回戦いたいと思ってますね。

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