冨永愛さんの「発酵美容弁当」の満足感 環境に配慮の弁当3種、東京・北青山で販売【にっぽん食べ歩き】

 モデルの冨永愛さんがプロデュースした「発酵美容弁当」など、環境に配慮した3種の弁当の販売が東京・北青山にある伊藤忠商事の展示施設「ITOCHU SDGs STUDIO」で始まった。(共同通信=中村彰)

「発酵美容弁当」

 同社は基本方針のひとつに「『(国連の持続可能な開発目標の)SDGs』への貢献・取組強化」を掲げ、発信拠点として本社敷地の一角にこのスタジオを今年4月開設。展示スペースや撮影場所として無償で提供している。

 10月16日の世界食料デーにちなみ、食の多様性の体験型展示「いただきますの前、ごちそうさまの先。展―What makes a nice meal?―」を開催。その一環で弁当を販売する。

冨永愛さん(ゲッティ=共同)

 冨永さんプロデュースの「発酵美容弁当」は「食べるものから身体がつくられる」という理念の下、すべてに発酵調味料が使われている。

 主菜は塩こうじサケ。主食は「玄米と青大豆のひじきご飯」。副菜に「しょうゆこうじ漬けゆで卵」「青菜と豆もやし、しめじの塩こうじナムル」「ピリ辛こんにゃく」「パプリカのマリネ」という取り合わせだ。

 豆、ごま、ワカメなどの海藻、野菜、シイタケなどきのこ、芋など根菜の頭文字を取って「まごわやさしい」という言葉で、バランス良い食事の大切さを説くおばあさんからの教えにのっとって構成。冨永さんが「健康的な日本の伝統食」と言う通り、見た目も、実際に食べてみてもヘルシーそのもの。昔ながらの質素でありながら、満足感が残る一品だった。

 ほか2品は有機野菜などを販売するオイシックス・ラ・大地の子会社「CRAZY KITCHEN」(東京都品川区)が手掛けた。

 「すてない弁当」はパンの耳を使ったサンドイッチ。具材はイノシシ肉のハンバーグと、キャビアを取った後のシロチョウザメのフィレオフィッシュの2種類だ。

「すてない弁当」

 イノシシのハンバーグは臭みもなく、肉のうま味にあふれている。従来は捨てられていたシロチョウザメの身はほろほろとしていて、一般的なフィレオフィッシュと遜色がない。シメジ、エリンギなど規格外野菜のマリネと、規格外ニンジンのラペ(千切り)が付け合わせだ。

 「ミライ弁当」は3色そぼろご飯。円形の容器を中央で分け、左側が現在の一般的食材、右側は大豆ミートなどの代替食材で構成されている。

「ミライ弁当」(サンプル)

 そぼろは鶏に対して大豆ミート、白米に対してこんにゃく米、ふりかけは桜エビとイカスミに対して食用コオロギとなってる。

 弁当は青山通り沿いの特設スペースで販売(雨天時は同STUDIO内で)。10月31日までは「発酵美容弁当」、11月2日~7日は「ミライ弁当」、同月9日~14日は「すてない弁当」を販売する。1日30個限定で各1000円。

© 一般社団法人共同通信社