「影響力」が違う 埼玉武蔵・由規が挙げた、ヤクルト6年ぶり優勝の立役者の名

BC埼玉武蔵・由規【写真:新保友映】

2015年以来のリーグ優勝、「勢いがついていた」

6年ぶりのリーグ優勝を果たしたヤクルトを遠くで見守っていた元燕戦士がいた。今季、ルートインBCリーグ・埼玉武蔵でプレーしていた由規投手だ。偉大な先輩であるプロ20年目の石川雅規投手の「影響力」がチームにとって大きかったと振り返る。そして、由規自身もエールを受けていたという。【取材・構成/新保友映】

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ヤクルトの快進撃はすごかったです。外から見ている立場なので、すごくファン目線ですが、勢いに乗ったら手が付けられないって言うのは、こういうことを言うのかなと感じました。今季は追いかける立場、競りながらの戦いだったので、ヤクルトの強みが発揮できる、有利な展開に持っていけるのではないかと思って、終盤は見ていました。

山田哲人選手、村上宗隆選手という五輪に行っていたメンバーが活躍して引っ張ってくれている感じも、さらに勢いづけました。僕も付けていた背番号11の奥川恭伸投手も頑張っていましたが、やっぱり石川雅規さんの存在は大きかったのではないかと思います。

石川さんは、今シーズン出遅れた部分もありましたが、良いピッチングをしても勝ちがなかなかつかないときもありました。でも、試合に向かう姿勢は変わらず、勝てばチームにとっても勢いがつく要素になります。

チームも石川さんに何とか勝ちをつけたいという雰囲気になりますし、ベテランの強い意思の表れは、チームに対する影響がすごく大きいと思います。

ヤクルト・石川雅規【写真:荒川祐史】

石川からもらった、「気が済むまでやった方がいい」の言葉に刺激

春先に、自分が埼玉武蔵ヒートベアーズに所属する報告をするために石川さんへ連絡をしました。すると「まだまだ、やれるよ。若いんだから、やり続ければチャンスなんて、いくらでもあるから気が済むまでやった方がいいよ」と言ってくださった。石川さんから『何とかしてやるんだ』という気持ちが伝わるから、僕も頑張っているというところもあります。

ベテランの力という意味では、今後も自分が現役でやるならば、教えることもそうですが、自分で体現していくことが大切だなと感じました。現役のうちに見せていくのと、引退後とではきっとチームに与える影響力も違うと思うので、石川さんの背中を見習って、僕も頑張っていきたいと思います。(新保友映 / Tomoe Shinbo)

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