朝鮮が中国の「抗米援朝」映画に関心を持つ理由 50年代の戦争を描いた「長津湖」が大ヒット

近年、中国では1950年代の朝鮮戦争で中国人民支援軍が朝鮮人民軍とともに米軍主導の国連軍とたたかった「抗米援朝」主題の映画が数多く制作されている。先月1日には、中国映画史上、最も多額の制作費が投入された「長津湖」が公開された。朝鮮外務省はホームページでこのニュースを伝えた。

映画は50年11月27日から17日間、咸鏡南道の長津湖畔で行われた戦闘が舞台で、中国人民支援軍が零下40℃の酷寒の中、最新兵器で武装した米軍とどのように戦ったかを描いている。

「長津湖」が上映初日売り上げの最高額を記録し、10月中旬には、週末の世界興行収入ランキングでトップに立ったことについて、中国メディアは今日の米中対立と関連性があると評している。

ある評論家は、中国人が自ら挑発し紛争を起こすことはないが、何か問題が発生すれば絶対に退かず挑発者を撃退するということをこの映画が示していると解説した。

米中対立は貿易分野だけではない。米国は台湾の独立を煽り、軍事的緊張を高めている。

金正恩総書記が、10月25日の中国人民志願軍朝鮮戦線参戦記念日に際して平安南道檜倉郡にある中国人民志願軍烈士陵園に花輪を送った。(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

先頃、朝鮮外務省のスポークスマンは、台湾情勢は朝鮮半島情勢とは決して無関係ではないという見解を明かした。

国家主権を守り、祖国統一を必ず成し遂げるとする中国の立場を支持する朝鮮が、映画「長津湖」が人気を集める背景に関心を向けるのは理由がある。

バイデン大統領は、有事の際は米国が台湾問題に軍事的に介入すると公言している。

今年、締結60年になる朝中友好条約には、双方は一方に対するいかなる国家からの侵略でもこれを防止するためにすべての措置を共同でとる義務があるという条項がある。

中国がこのような関係を結んでいる国は朝鮮だけだ。朝鮮にとっても、共同戦線の形成をあらかじめ約束した国は中国が唯一だ。

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