伝統の流鏑馬 2年ぶり奉納 松浦・淀姫神社で例大祭

五穀豊穣などを祈願し、馬上から的を目がけて矢を射る流鏑馬神事=淀姫神社

 長崎県松浦市志佐町の淀姫神社(中川明宏宮司)で26日、例大祭(志佐くんち)があり、2年ぶりに伝統の流鏑馬(やぶさめ)が奉納された。
 同神社の流鏑馬は、市無形民俗文化財。的に当たった矢の数で五穀豊穣(ごこくほうじょう)などの吉凶を占う。駆ける馬が起こす風に当たると無病息災、的を外れた矢を拾うと良縁に恵まれると伝わる。昨年はコロナ禍で中止されていた。
 射手を務めたのは同市調川町の福田邦光さん(73)と平戸市生月町の中村嘉宏さん(52)。烏帽子(えぼし)、狩衣(かりぎぬ)姿で、神社前の馬場(約100メートル)の3カ所に設けられたねむの木などで作られた9枚の的を目がけ、それぞれ3回、馬上から矢を射た。
 今年は18本のうち7本が命中。中川宮司は「2年ぶりに流鏑馬の神事ができてほっとしている。今年は馬が若く、勢いがあり、射手もタイミングを合わせるのが難しかったようだ。吉凶は来年も自然災害や新型コロナ感染対策に注意を怠るな、ということでしょう」と話した。

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