韓国民放「従軍慰安婦を否定する韓国人勢力が集会」「日本の極右と変わらない主張が乱舞」

韓国MBCが、「従軍慰安婦動員に強制性は無かった」などとする韓国の「極右」の存在について取り上げている。

参考記事:韓国紙「慰安婦問題は政治ビジネスに…少女像の運送料で5,000万」「日韓悪化で道徳的優位も主張」

MBCは『慰安婦被害者を侮辱する極右』という放送において、このような主張を行う人々について特集した。

MBCのアンカーは同報道の冒頭において、「歴史歪曲と歴史否定、日本がいつになれば歴史をありのままに認めのるかとてももどかしい」としつつ、「日本政府と極右勢力の攻勢が手強い状況だが、国内(韓国)にも彼らの歴史観に相槌を打つ勢力がある」と伝えた。

MBCリポーターの質問に答える右翼団体代表/キャプション

報道では、2019年に発刊され日本でも話題となった『反日種族主義』が、「日本の植民地収奪を否定する歴史修正主義者と文脈を相通ずる内容だった」とし、同書の著者が報道陣に暴行を加え物議を醸したことなどを挙げつつ、それから「2年が過ぎた今でも日本の極右と変わらない主張が国内で依然として乱舞している」と伝えた。

今年が従軍慰安婦としての被害を初めて世に語ったコム・キョンスン氏の公開証言30周年となる。その翌年から日本の戦争犯罪認定と公式謝罪、法的賠償を求める「水曜集会」が毎年開かれるように、「いつの間にか1,500回を超えた」ことをMBCは伝える。

一方で、新型コロナウイルスの拡散により、最近は同集会の規模が縮小するなか、「周辺はむしろより騒々しくなった」とし、「慰安婦は嘘である、そして少女像を撤去しろと主張する対決集会のためだ」とMBCは説明している。

MBCのリポーターはこの対決集会にいた複数の参加者に直撃インタビューを試みている。「なぜ参加したのか」という質問に対し、ある男性参加者は「慰安婦動員に強制性はない」「慰安婦自体は存在したが日本軍が介入しない性売買だった」という趣旨の主張を繰り広げた。

集会場でMBCの質問に答えた右翼団体代表は、「本人たちも、苦しい生活を嫌がった。私ももっとお金を稼いで親に苦労をかけたくないとして行った人もいる」と発言した。

朝鮮戦争時の慰安婦の存在について語る右翼系ユーチューバー/キャプション

これにMBCリポーターが「ということは、貧困があり、人権侵害もあったが、その主体が日本ではないということか?」と質問に同代表は「(責任主体は)女郎屋の主人だ」と答えた。続けて「日本軍は戦場で戦争しないといけないのに朝鮮に行って女性を連れ、台湾に行き、東南アジアまで行くのか、軍人が」とし、「あり得ない話だ。そして人材ブローカーなどが嘘をついた」などを発言している。

さらに、「法的にみれば、これは労働の対価を先払いで払ったもの」とし、「当時の法律相談でも、これは違法ではないと記されている」

これについてMBCリポーターは「いずれにしろ人身売買要素はあるが、結論としては、日本軍がやったことではないと?」と尋ねると、同代表は「いや、日本軍がやるはずがない」と応答した。

MBCは、朝鮮戦争の時にも慰安婦がいたとする右翼系韓国人ユーチューバーの発言や、「慰安婦は娼婦だった」とするラムザイヤー米ハーバード大学教授についても触れつつ、「日本右翼の極端な主張をそっくり繰り返している」とし、「無力だった植民地朝鮮の現実は無視したまま、日本帝国主義の法律に基づく合法的な労働だったという荒涼とした論理だ」と伝えている。

MBCはまた、日本政府が4月に教科書から従軍慰安婦という言葉から「従軍」を抜き、代わりに「慰安婦」という表現だけを記すようにしたことを挙げ、「日本軍が慰安婦設置と管理移送に直間接的に関与したと認めた1993年の河野談話を踏襲しないことで、歴史から消去しようとする意図と見られる」と伝えた上で、「偽りを混ぜた主張までも、多様性と表現の自由によって容認されるべきなのか」と問うている。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「日本の極右は自国のために嘘を捏造するが、我が国の極右は他国のために嘘を捏造する…頭大丈夫か?」

「親日派はすべて処刑すべきだったな…」

「お前たちのせいで亡くなったお婆さんたちに申し訳が立たない。同じ韓国人であることが恥ずかしい」

「極右ではなく奴隷根性を持つ親日子孫の継承者たちだ」

「なぜ極右が親日なのか?親日は極右になれない」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

参考記事:韓国紙「徴用工・慰安婦問題で韓国司法は揺れすぎ」「国際的な信頼毀損、日本に手足を縛られる」

参考記事:韓国紙「慰安婦問題で強制か自発かは本質ではない」「当時日本に公娼制あったが国際法違反」

参考記事:韓国紙「戦争犯罪認めない日本は常識以下」「反省しない者は天が殺す」

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