アニメ業界の産業団体の日本動画協会は、2009年からアニメ産業の調査及び統計・分析を掲載する「アニメ産業レポート」を毎年刊行し、11月4日に発行される最新版ではコロナ禍であった2020年のアニメ産業界の状況が報告され、2.5次元舞台を含むライブ市場統計も掲載される。また、刊行記念の執筆陣によるセミナーもオンラインで11月17日に開講される。
同協会のプレスリリースによると、アニメ制作の元請け制作会社の数値と、既に公に発表されているデータをもとに、2020年の広域（アニメコンテンツを元に広がった）のアニメ産業市場を総額2兆4,261億円で前年比96.5%となった。 コロナ禍の逆風の中で、配信市場は在宅需要から過去最高の930億円（135.8％）急拡大した。アニメ市場全体の1/2に迫っていた海外での日本アニメ市場が、1兆2,394億円(103.2%）となり、配信以外の国内需要が縮小したこともあり初めて海外が国内を上回った。 コロナの影響が大きく表れたのが、2,5次元舞台やアニソンライブなどのアニメライブエンタテイメント分野で、他のライブエンタメ産業と同様に市場規模は290億円となり昨年の34.4%と1/3近くにと低調となった。 他ほとんどの分野で前年比80〜90%、狭義でのアニメ産業（アニメ制作会社など）も2,744億円（91.0%）となっている。※
この産業調査を掲載する「アニメ産業レポート2021」は、11月4日に刊行され、2020年の業界動向・各メディアごとの動向の報告と共に、アニメ全作品年間パーフェクト・デーがWEBにて※2022年3月末より展開される。
「アニメ産業レポート2021」はじめに（抜粋）
コロナ禍に直撃された2020年のアニメ産業。果たしてどのような数値が出てくるのか、私のみならず気に掛かっている方は多かったであろう。緊急事態宣言をはじめとする多くの制約の中でアニメビジネスがどのように展開されたのか、制作の現場はどのようになっていたのか。アンケート調査前から思いを巡らせていたが、続々と戻ってきた回答、特に景況感の自由回答を見ると、実はある種の安堵感を覚えた。 まだ、統計値がまとまる前であったが、アニメスタジオの“本音”とも言える景況感に対する回答によれば2019年同様、アニメに対する需要の確かさや制作費の上昇を見て取れたからだ。もちろん、コロナの影響によるマイナスの側面もあったが、全体としてアニメに対する底堅いニーズを去年同様確認できたところで、 アニメ産業市場前年比96.5％、アニメ業界市場前年比91.0％という数値となった。これをどう見るかは立場によって異なるであろうが、コロナ禍の状況を思い返すと“健闘”という言葉が思い浮かぶ＿＿＿アニメ産業レポート編集統括 増田弘道
刊行概要
名称「アニメ産業レポート2021」 発行元一般社団法人日本動画協会 発行日 2021年11月4日 判型/頁数 A4 /132P + 折込図表、WEB刊行 2020年アニメ全作品年間パーフェクト・データ 価格定価11,000円（本体 10,000円＋消費税）
掲載概要
1. 2020年アニメ産業総括※市場動向概観/国内アニメーション産業
2. 各分野解説※アニメ映像流通市場 （総論 / テレビアニメ / 劇場アニメ / ビデオパッケージ / ネット配信） アニメ商品化等第二次利用 / 広告・販促プロモーション /アニメ音楽 / ライブエンタテイメント
3. 海外動向※世界の中の日本のアニメ
4. 特別編 ※WITH/AFTERコロナ時代の日本のアニメ産業と働き方–日本のアニメ産業への新型コロナ禍と感染症対策の影響と展望– ※新型コロナウイルス感染症のアニメ関連教育機関への影響– 近年の美術系大学における中国人留学生の特徴– ※スタジオ立地 –アニメ制作に関わる企業は802社、地方進出とCG制作会社が増加– 他
WEB刊行 2020年アニメ全作品 年間パーフェクト・データ
執筆者 ・増田弘道アニメ産業研究家、株式会社ビデオマーケット 顧問 （編集統括） ・数土直志ジャーナリスト、日本経済大学大学院エンターテインメントビジネス研究所特任教授 ・高達俊之コウダテ株式会社 代表取締役 ・松本淳まつもとあつし/ジャーナリスト/敬和学園大学 准教授 ・陸川和男株式会社キャラクター・データバンク 代表取締役社長 一般社団法人キャラクターブランド・ライセンス協会 専務理事 ・石田具隆株式会社ADKエモーションズ コンテンツ事業本部 プランニング・ディレクター ・亀山泰夫 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科研究員 世界オタク研究所 主席研究員 ・森祐治株式会社電通コンサルティング代表取締役・社長執行役員シニア・ディレクター デジタルハリウッド大学大学院デジタルコンテンツマネジメント研究科専任教授 ・上原弘子尚美学園大学大学院 非常勤講師 ・小野打 恵株式会社ヒューマンメディア 代表取締役社長 一般社団法人日本動画協会 デジタル制作環境委員会 副委員長/人材育成委員会 副委員長 ・長谷川雅弘株式会社ヒューマンメディア 事業プロデューサー ・原口正宏リスト制作委員会※アニメ全作品年間パーフェクト・データ ※敬称略、順不同
販売、セミナー（購入済者対象）など、詳しくは、公式サイトhttps://aja.gr.jp/ にて＿
