伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナを支えた父ミルトンが死去

 不世出の天才F1ドライバー、アイルトン・セナの父ミルトン・ダ・シルバ氏が10月27日に死去したことを家族が明らかにした。94歳だった。

 ブラジル出身、1960年3月21日に生まれたアイルトン・セナは、1984年にF1デビュー。レース活動においては母方の姓「セナ」を使用した。マクラーレン・ホンダ時代の1988年、1990年、1991年にF1タイトルを獲得、優勝41回、ポールポジション65回を達成。比類なき才能を発揮したセナだが、1994年サンマリノGP決勝でのアクシデントにおいて、34歳の若さで命を落とした。亡くなって27年たつ今も、多くの人々に愛されている。

1993年F1日本GPで優勝したアイルトン・セナ(マクラーレン)

 ミルトンは、冶金会社で成功を収め、建設、農場、畜産などの分野への投資も行っていた。彼は当初、アイルトンが家業に加わることを望んでいたが、息子のモータースポーツへの強い情熱を理解し、キャリアを通して力強くサポートし続けた。

 アイルトンがF1で成功を収め、脚光を浴びるようになった後も、ミルトンは表舞台に出て来ることなく、陰で息子を見守っていた。F1の現場にも、ブラジルGP以外はめったに姿を見せなかった。アイルトンは生涯を通して父親の指導やアドバイスに頼り、母国ブラジルでビジネスを立ち上げた際には父のビジネス経験を参考にしたという。

 ミルトンの娘でアイルトンの姉ビビアーニは、アイルトン・セナ財団の代表を務め、その息子でアイルトンの甥ブルーノは、2010年にF1デビューを果たし、2012年まで参戦した。

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