ニコン、フルサイズミラーレスカメラ「ニコン Z 9」を発売。Z シリーズ初のフラッグシップモデル

ニコンの子会社であるニコンイメージングジャパンは、2021年3月10日に開発発表を行った、「ニコン Zマウント」を採用したフルサイズ(ニコンFXフォーマット)ミラーレスカメラ「ニコン Z 9」を2021年内に発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税込70万円前後。

Z 9は、新開発のディープラーニングを用いた優れたアルゴリズムにより、従来の人物、犬、猫に加え、新たに鳥、自転車、バイク、車、列車、飛行機の被写体にも対応した世界最多の9種類の被写体を検出することが可能。被写体検出をオートにすると、設定を変えることなくこれら全ての被写体を検出することができる。

「瞳AF」では、これまで以上に小さな瞳を検出可能。後ろ姿など瞳や顔が検出できない状況では、自動的に頭部や胴体を検出が可能。AFエリアモードにはデジタル一眼レフカメラで長年搭載されている「3D-トラッキング」をニコンのミラーレスカメラで初めて搭載。動きの激しい場面でも狙った被写体にピントを合わせ続けることを可能としている。

また、「ダイナミックAF」もサイズの異なるフォーカスポイント(S/M/L)を搭載し、構図を決めて撮影するときに最適だとしている。静止画撮影においては、世界最速120コマ/秒の連続撮影が可能な「ハイスピードフレームキャプチャ+」により、肉眼では捉えられない瞬間を約1100万画素の高画素で撮影できる。

効率のよい放熱設計により、8K UHD/30Pで世界最長約125分の動画がカメラボディー内のメモリーカードに記録可能。「S-Line」のNIKKOR Zレンズと組み合わせることで、画面の隅々まで高い描写性能を発揮できるとしてる。

また、4K UHD/120P/60P/30Pにも対応。4K UHD/120p動画でも画面クロップ無しで撮影できるため、異なるフレームレートで撮影しても、同じ画角で揃えた動画編集が可能。10bitでニコン独自の「N-Log」、HLG(Hybrid Log-Gamma)収録に対応。さらに、記録フォーマット「ProRes 422 HQ」にも対応し、動画制作の幅広いニーズに応できるとしている。さらに、9種類の被写体検出は動画撮影にも対応する。

ユーザーの動画制作ニーズに応え続けるため、今後のファームウェアアップデートで、8Kを超えるオーバー8K/60pを含む12bit RAW動画のカメラ内記録機能の搭載、動画撮影における操作性や機能向上に対応予定があるという。

新開発の積層型CMOSセンサーと新画像処理エンジン「EXPEED 7」との連携によるデュアルストリーム技術により、電子ビューファインダー(EVF)や画像モニター用の表示映像と、記録用の静止画データを個別に同時処理することが可能。ファインダー像の消失が起きないよう同一画像を表示する従来のブラックアウトフリー撮影とは異なり、実際の被写体の動きを常に表示できる。表示飛びも無くなり、被写体の動きを途切れることなく確認が可能。

連続撮影を短時間で繰り返し行う際においても滑らかに表示されるため、スポーツなどの動きの速い被写体を撮影するシーンにおいても、一瞬のシャッターチャンスを逃さないとしている。

ファインダーには3000cd/m

輝度に対応する新Quad-VGAパネルを採用。日差しの強い屋外での撮影などでも容易に被写体を確認することができるという。

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