【柔道】世界女王が赤裸々トーク 阿部詩が語る「パリ五輪」と「理想の結婚」

本紙の単独インタビューに応じた阿部詩(東スポWeb)

世界女王が描くライフプランとは――。女性の活躍を推進するプロジェクト「W society」のアンバサダーに就任した東京五輪柔道女子52キロ級金メダルの阿部詩(21=日体大)が本紙の単独インタビューに応じた。金メダルの裏に隠された女性アスリートならではの悩みや2024年パリ五輪に向けての決意を告白。かねて「25歳で結婚したい」と口にしてきた中で、理想の家庭像やママさんアスリートへの思いなどについても、包み隠さず語ってくれた。

――東京五輪前は体とどう向き合ってきたか

詩 本当に東京五輪前はすごく追い込んでいました。体のコンディションの部分とすごく向き合ってきましたが、自分自身の体をコントロールするのはあまり得意ではなかったので、周りの方と相談しながらやってきました。

――女性ならではの難しさもあった

詩 生理の面などで少し難しい部分はありましたが、コーチの方と相談しながら、生理で体がキツい場合は練習メニューを変更したり、思い切って練習を休んだりして、対策してきました。

――食事面も意識していた

詩 できるだけ生理痛を少なくするために、生理の前からしっかり計算していました。カフェインだったり、チョコレート系を摂取してしまうと(生理痛が)キツくなってしまうので、そういう部分は考えていました。

――現在の練習状況は

詩 まだ本格的な練習には入っていなくて、トレーニングから徐々に体を動かすようにしています。(本格的な練習は)年明けくらいからやろうと思っていて、試合は来年のどれかの試合に出場するつもりですが、まだ詳しい部分はあまり考えていないです。

――3年後のパリ五輪に向けては

詩 パリ五輪での2連覇が今の私の目標なので、東京五輪で出た課題を克服していかないといけない。今はフィジカル面と技術面をもう少し向上させていきたいと思っているので、一つひとつ課題を潰していって、パリ五輪で2連覇を達成したいなと思います。

――具体的な強化ポイントは

詩 フィジカルの部分は体重があまり増えないので、体重を増やすのと、筋肉量を増やすようにしていきたいです。技術面はもうすでに研究されている立場なので、組手のパターンや技を増やしていきたいです。

――パリ五輪後のライフプランは

詩 あまり詳しくは考えていませんが、私は家庭を持って子供を授かりたいと将来的には思っているので、パリ五輪が終わってからライフプランを選択していけたらと思います。25歳で結婚したいので、パリ五輪が終わったら考えたいです。まあ、相手がいないとダメなので、そこは考えられたらと思っています。

――どんな男性と結婚したいか

詩 自分は一人のアスリートとして、一つの競技に集中して人生をかけているので、それをしっかり理解してくれる男性がいいです。

――理想の家庭は

詩 旦那さんが家に帰りたいって思うような家庭を作ることが目標です。温かい家庭をずっと保ちたいし、癒やされる場所になればいいかなと。家庭がそういったものになればいいですよね。つらいときだったり、うまくいかないときでも寄り添ってくれるのが家族だと思うので、そういった家庭を築き上げていけたらと思っています。

――最近はママさんアスリートも増えている

詩 お母さんになると闘志が湧かなくなると聞くので、それ(闘志)がないって自分で感じたら(柔道を)やらないかもしれませんが、お母さんになっても戦いたいって気持ちがあるのであれば、続けていると思います。

――最後に未来の女性アスリートにエールを

詩 女性の体のことを理解してくれる方が増えたと思うので、私は周りの方にしっかり相談できる環境を作ることが一番だと思いますし、相談しながら競技を進めていくことが女性は一番安心できると思います。

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