短時間で船長溺死か 沖大東沖座礁事故 運輸安全委が報告書

 4月に沖大東島の東端で那覇市の漁船「第一島丸」(19トン、乗員6人)が岩場に座礁し、船長が死亡した事故で、国の運輸安全委員会は28日、船長(80)の死因について、座礁後に船体が波によって破断した際に、船長が海に落ち、短時間で溺死した可能性があると指摘した。運輸委員会はHPで報告書を公開した。

 報告書によると、マグロ延縄漁のため、船長はフィリピン国籍の乗組員5人と市泊漁港を3月1日に出港した。

 4月1日午前4時ごろ、居室で就寝中の5人は大きな衝撃で目を覚まし、座礁したことに気付いた。すでに船内で浸水が起こっていた。乗組員1人が操縦室の船長に逃げるように促したが、船長はうなずくだけで、離れなかった。事故後、海上保安庁がうつぶせで浮いている船長を発見した。発見時、船長は救命胴衣を着用していなかったという。

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