ヤングケアラー相談窓口開設へ 学業、孤立に悩む子に寄り添う ひとり親家庭福祉会ながさき

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 長崎市の一般社団法人「ひとり親家庭福祉会ながさき」(福地照子理事長)は、きょうだいや家族の世話をする18歳未満の子ども「ヤングケアラー」の総合相談窓口を11月1日に開設する。県によると、専門の窓口開設は県内初。同法人は「家族の世話をすること自体は悪いことではない」とした上で「学校生活などマイナスの影響が出ているのに、誰にも相談できずにいる子に寄り添う場になれば」としている。
 同法人はひとり親家庭の支援などに取り組んでいる。事務局長の山本倫子さん(52)によると、「休んで、きょうだいの世話をして」と親から言われ、学校を休みがちになる中学生もいるという。同法人では「誰にも相談できない」「どこに相談していいか分からない」という子どもたちに「頑張っているね」と声を掛け、総合的に対応する場が必要と窓口の開設に踏み切った。
 介護サービスが必要な家族を抱えるケースであれば、地域包括支援センターにつなぐなど、個々の状況に応じて対応することを想定。「授業に付いていけない」という悩みがあれば、同法人が取り組む無料の学習支援を紹介する。
 山本さんも学生時代、障害のある母親に代わり、食事の準備など家事を担い、クラブ活動を諦めざるを得なかった。買い物する姿を目撃した同級生から、からかわれることもあったが、近くにいた伯母の存在が支えになったという。
 山本さんは「核家族化やコロナ禍で外との接点が限られ、家庭の中で起きていることが見えづらくなっている。行政や民間機関と連携し『ここがあるよ』と、つなぐ役割を果たしたい」と話している。
 相談は電話、LINE(ライン)、メールで受け付ける。専用電話(095.893.6266)は平日午前10時~午後7時。事前に予約すれば土日祝日や時間外の相談にも対応する。

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