武田薬品、γδT細胞療法のGammaDelta社買収。オンコロジー領域の拡充へ 武田薬品は10月27日水曜日、GammaDelta Therapeutics社を買収することを発表した。

武田薬品は10月27日水曜日、GammaDelta Therapeutics社を買収することを発表した。武田薬品が、2017年に同社に研究開発の支援として株式投資を含む最大1億ドルを出資しています。その後4年余りが経過し、買収オプションを行使することになりました。

この買収で、γδ(ガンマデルタ)T細胞を利用して固形がんや血液がんを治療する可能性のある同種プラットフォームへのアクセスを得ることで、オンコロジー領域での開発品の拡充につながることとなる。

固形腫瘍と血液腫瘍両方を標的とする差別化されたアプローチだ

武田薬品のがん細胞治療部門を率いるクリストファー・アレントは、「私たちは、アクセス性の高い既製の同種細胞療法に注力することで、大規模なセグメントの患者さんに影響を与える細胞療法の開発に取り組んでいます。γδT細胞を用いた治療法は、固形腫瘍と血液悪性腫瘍の両方を標的とする差別化されたアプローチ 」であると述べています。

買収の条件は非公開

武田薬品は、今回の買収には、非公開の契約一時金と、開発および規制上のマイルストーンが含まれると述べています。本買収の詳細は、武田薬品の2022年度第1四半期に最終的に決定される予定です。

GammaDelta社は、先月、同種の可変デルタ1(Vδ1)γδT細胞療法であるGDX012の急性骨髄性白血病患者を対象とした対ヒト第1相臨床試験を開始しています。同社のCEO、Paolo Paoletti氏は、

「非人工的に作られたVδ1γδT細胞のユニークな生物学的特性は、生来の細胞治療のための新しいモダリティを開く可能性がある」

と述べています。Paoletti氏は以前GSKのがん研究開発を指揮していましたが、ガンマデルタ細胞がより効果的なT細胞免疫療法を生み出すという考えに興味を持ち、新興企業の世界に飛び込んでいます。Vδ1γδT細胞は、「がん細胞上の制御不能な分子パターンを特異的に認識して活性化するとともに、非MHC制限活性を有することから、完全同種細胞療法の開発に適したユニークな細胞タイプである」としています。

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