朝鮮労働党創建76周年を迎えた10月、金正恩総書記は党創建記念に際した二つの行事で立て続けに演説を行い、国防力発展や党組織強化に関する重要な指針を示した。
朝鮮労働党創建(1945年10月10日)記念日は、朝鮮で最も大きく祝われる名節の一つ。
「70」,「75」など周年の節目には大規模な閲兵式や芸術公演が盛大に開催されてきた。
党創建75周年を迎えた昨年には、新型コロナウイルス感染拡大により世界が混乱状態に陥る中でも、党創建を過去最大規模の一大政治イベントで祝った。10月10日正子、真夜中に金日成広場で閲兵式が開かれ、メーデースタジアムではマスゲームと芸術公演も行われた。
今年は周年ではなかったが、閲兵式などの伝統的な行事とは一線を画す新しい形の記念行事が開催された。
注目されたのは、建国以来、初めて開催された国防発展展覧会(11~22日)。「自衛―2021」というタイトルがつけられた。
平壌の3大革命展示館で開かれた展覧会には、過去5年間に開発・生産された戦略戦術兵器が一堂に集結した。
それは米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」型の試射成功(2017年11月)により「国家核武力」が完成するなど、国防力強化において飛躍的な成果を収めた期間だった。
展覧会には、性能が向上した新型ICBMや潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星5」型、最近、試射が行われた極超音速ミサイル「火星8」型など、国防工業で積み上げてきた実績の数々が並んだ。
金正恩総書記は開幕式で演説し、労働党の国防政策の真髄が、「自分の力で祖国と人民を守ることであり、絶えず発展・向上する強力な防衛力によっていかなる威嚇や挑戦も抑止し、平和をしっかりと守ること」にあると明かした。
また「われわれの主敵は戦争そのものであって南朝鮮や米国、特定の国家や勢力ではない」と明言した。
金正恩総書記は、党創建記念日の10日に行われた講演会でも演説し、党の指導力を高めるうえで提起される原則的問題と実践方途にいて述べた。