世界遺産の島の自然守れ 奄美市・三太郎線で車両規制スタート 通れるのは1時間4台まで

車両規制が始まり、事前予約の状況を確認する環境省職員=29日午後6時半ごろ、奄美市住用

 奄美大島の希少野生生物の夜間観察スポットになっている奄美市住用の市道・三太郎線で、通行車両の台数規制が始まった。世界自然遺産登録後の観光客増加を見据え、混雑を防いで生態系を保全するのが目的。夜間観察での公道規制は全国初という。

 三太郎線は延長約12キロの旧国道。頻繁に出没する国指定特別天然記念物のアマミノクロウサギ目当ての車が増え、希少生物の交通事故が相次ぐ。このため環境省や県、市などは車両のルールを策定した。日没から夜明けまで、1時間当たりの通行を事前予約の4台に制限。ガイドの同行と時速10キロ以下の走行を求めている。

 初日は職員が2カ所で事前予約の有無を確認した。親子で訪れた愛知県刈谷市の大学生正木梨乃夏さん(21)は「8匹のアマミノクロウサギをじっくり観察できた。多くの生き物を守るために規制は必要と思う」と話した。

 予約はウェブサイトhttps://coubic.com/santaroで受け付ける。

観光客に人気のアマミノクロウサギ

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