冬の北海道で車中泊をするのは危険!?必要な道具や注意点を道民の筆者が紹介

最近の車中泊ブームで、北海道でも車中泊を楽しむ人が増えており、春から秋にかけて、あちこちで車中泊をしている車やキャンピングカーを見かけます。しかし、これからの季節、北海道には厳しく寒い冬が到来。「冬の車中泊はやめておこう…」という人がいる一方で、中には「あえて冬の北海道で車中泊をしてみたい」と考えている人もいるかもしれません。そこで今回は、北海道で車中泊をしている筆者が、冬の北海道で車中泊をする際に気をつけたいことや、必要な道具などについて紹介していきます。

北海道でする冬の車中泊は楽しいだけじゃない!気をつけたいことや危険なこと

Snapmart

冬の北海道はとても寒さが厳しく、春〜秋のように気軽に車中泊ができる気候ではありません。

もちろん、冬ならではの楽しみもあるものの、冬だからこそ気をつけなければいけないことや危険なこと、そして準備しておくべき道具などがあります。

実際に北海道で車中泊をしている私が、冬に特に気をつけていること、大事だと思っていることは以下のような点です。

  • 天候や積雪量
  • 車中泊する場所
  • 寒さ対策
  • 車のスタック&降雪時に必要な道具の準備

どれも冬の北海道で車中泊をする場合に重要なことなので、詳しく説明していきたいと思います。

冬の北海道で車中泊するなら寒さ以外に天候や積雪量にも気をつける

冬の北海道で車中泊をする際、まず気をつけたいのが、天候や積雪量です。

北海道が寒いというのは誰でも知っていると思いますが、寒さにだけ注意すれば大丈夫というわけではありません。

北海道で冬に車中泊をする際、一番怖いのは寒さではなく雪だと私は思います。

冬の北海道では、「雪の日に車中泊へ行ったら、大雪が降って立ち往生してしまう…」なんてこともありえるのです。そのため、私が車中泊をするときは、寒さよりも天候や雪の量に気をつけています。

ここからは、私が実際に行っている対策を具体的に紹介していきます。

出発前には必ず天気予報をチェックする

いつも、出発前に必ず確認するのが天気予報です。私は、基本晴れの日に車中泊の計画を立てるようにしています。

出発前に天気予報を見て、目的地の天候だけではなく、出発する場所から目的地までの道中含め、天気が荒れないかをしっかりチェック。

筆者撮影 雪の日

多少雪が降るくらいならなんとかなりますが、途中で大荒れになると立ち往生もあり得ます。天気予報をしっかり確認して、無理をしないことが重要です。

積雪の多い地域での車中泊は避ける

天気がよくても、元々積雪量の多い場所での車中泊はおすすめしません。なぜなら、スタック(雪にタイヤがハマって動けなくなること)の可能性が高くなるからです。

北海道で雪が多いのは、道北や道央の内陸部。この地域は、冬になると毎日のように雪が降り、数少ない晴れの日でも、道や駐車場が荒れているケースが多いです。

反対に、北海道で雪が少ないのは、太平洋側ほぼ全域と道東の南側です。

筆者撮影 2月の根室納沙布岬

帯広から釧路、根室は雪がとても少なく車中泊もしやすいです。また、太平洋側はほぼ全域で雪が少なく、道中の運転も楽でおすすめです。

私も、冬は太平洋側や道東メインで車中泊の計画を立てています。

冬の北海道では車中泊する場所にも要注意!向いている場所と向いてない場所

冬の北海道では、車中泊をする場所にも注意が必要です。

道の駅やオートキャンプ場、RVパークなどを車中泊場所として考えている方が多いかもしれません。しかし、北海道では、冬以外の時期と同じように施設が利用できるわけではありません。

ここからは、冬の北海道で車中泊の場所選びをするときのポイントを解説していきます。

冬の北海道は車中泊できる場所が少ない

北海道のRVパークやオートキャンプ場は、冬には閉鎖されるところがほとんどです。なので、冬は夏のように車中泊できる場所が沢山あるわけではありません。

公園や屋外トイレも閉鎖される場所が多いです。事前に営業しているか確認し、どこで車中泊をするか決めておきましょう。

車中泊可能な道の駅や有料駐車場が使いやすい

私は冬の車中泊の場合、道の駅や車中泊可能な有料駐車場を利用することが多いです。

たとえば、阿寒の道の駅は車中泊専用スペースが設けられています。また、函館や釧路など人口の多いところでは、有料ではあるものの、車中泊OKでトイレもある駐車場があります。

阿寒の道の駅阿寒タンチョウの里

実は、北海道では、車中泊を明確に禁止している道の駅はほとんどありません。しかし、冬は除雪の妨げになることがあるため、車中泊専用スペースでしか車中泊ができないことも。

車中泊をする際には、道の駅や有料駐車場をチェックして、車中泊時の決まりについても確認しておいてくださいね。

車中泊には雪の少ない地域がおすすめ

冬の北海道は地域によって気候が違います。同じ北海道内の同じ日時でも、日本海側は猛吹雪なのに太平洋側は快晴ということもしばしば。

先ほど説明した通り、雪の多い日本海側は天気が荒れやすく、地吹雪も多くなります。

一方で道央や道北の内陸部は降雪量が多く、反対に道東南部や太平洋側は雪が少なく、天候も晴れであることが多いです。

北海道の雪が多い地域と少ない地域

なので、私が冬の車中泊をする際に選ぶことの多い地域は、道東の特に太平洋側です。

帯広のある十勝はもちろん、釧路〜根室などは冬も天候がよく、雪も少ない地域なので車中泊におすすめ。気温は低めになりますが、道東内陸部に比べれば暖かいです。

函館も比較的天候が安定していて、太平洋側のルートを通っていくのならおすすめできる地域だと思います。

雪の多い日本海側、道北は冬の車中泊には向いていません。

稚内や道北日本海側&内陸部〜旭川周辺、このあたりは降雪量が多く、吹雪くこともあります。晴れる日も少ないため、冬の車中泊の計画からは外した方が安心です。

冬の北海道での車中泊は寒さ対策を万全に!いつも必ず持って行く重要なアイテムを紹介

筆者撮影 北海道冬の車中泊の様子

天候や雪の問題を乗り越え、行き先を決めて車中泊をするとなったら、寒さ対策をしっかりして車中泊に臨みましょう。

冬の北海道は非常に寒いので、外に出るときに使う防寒着は当然必要です。また、私は車内でも快適に過ごせるように準備している防寒グッズがあります。

ここでは、私が必ず用意する冬の車中泊の必需品を紹介していきます。

外でも車内でも暖かい防寒着

車中泊はほとんど車で過ごすとはいえ、外に出たときや、エンジンを止めた車内で着るアウターも必要です。

北海道の冬にも耐えられる、暖かい防寒着を用意しましょう。私はダウンジャケットや、裏地がボアに素材になっている厚手のアウターを用意しています。

そして、電熱ベストなど、バッテリーで暖かくなるヒーター付きのジャケットやベストもおすすめです。

ヒーター付きのジャケットやベストは、外で活動するときに暖かいのはもちろん、車内で過ごす時間もぐっと暖かく、快適にしてくれます。

車内で使える電気ストーブがあると理想的ですが、電気ストーブは電気を沢山使うのと、場所も取るので常用は難しいです。

そのため、私も寝る前や食事の時など車内で過ごす際は、電熱ベストやジャケットを使っています。エンジンかけっぱなしというわけにはいかないですからね。

暖かく寝やすい寝具

冬の車中泊では、暖かく寝やすい寝具を準備するのも重要。寒いとしっかり眠ることができず、翌日寝不足で運転をすることになっては事故の元です。

車中泊だと寝袋を使う方が多いですが、寝袋を準備するなら、一番暖かく大きめのものを用意するのがおすすめです。

筆者撮影 寝袋で寝る車中泊

ただ、ダウンが入った暖かい寝袋を用意しても、気温の低い日には寝袋単体で過ごすのは厳しいかもしれません。

そこで、私は寝袋の中に毛布を入れて使っています。少し大きな寝袋なら毛布も入れやすいですよ。

また、毛布だけではなく、家で使っている羽毛布団を組み合わせることもあります。

毛布と羽毛布団を重ねて使うと、寝袋だけで寝るよりも寝やすく、とても暖かいので、ぐっすり眠れます。翌日にはすっきり目覚め、安全運転に備えられますよ。

電気毛布やポータブル電源

睡眠時の寒さ対策用に、寝具の他にもう一つ準備しておきたいのが、電気毛布と電気毛布を動かすためのポータブル電源です。

電気毛布とポータブル電源は、私も必ず持って行くアイテムです。

北海道の冬は、地域によっては朝の最低気温が-20℃を下回ることもあります。そんな中、エンジンを止めて車中泊をするのなら、毛布やダウンの寝袋だけではどうしても耐えられません。

なので、私は必ず電気毛布を持って行くことにしています。

敷き電気毛布1枚あれば、0℃〜-10℃程度の外気温でも、十分暖かく眠れますよ。敷き電気毛布・掛け電気毛布の2枚を使うと、-30℃近い気温の車中泊でも問題ありません。

−30℃極寒車中泊の時の寝具

北海道で冬の車中泊をするなら、電気毛布は必須の装備だと思います。

ただし、電気毛布を動かすためには、当然、電源も必要です。寒さに強く、十分な容量があるポータブル電源も用意してください。

私が使うことが多いのはEcoFlowのポータブル電源です。

▼EcoFlowのポータブル電源レビュー記事はこちら!

冬の北海道で車中泊するなら車の整備も万全に!降雪&スタック対策も忘れずにしよう

北海道の冬の車中泊では、雪で車が動かなくなるような事態を想定した対策も必要になります。

特に、雪に埋まってスタックした場合、JAFを呼んでもすぐに来られない場合が多いです。もしものときに自力で抜け出すための準備もしておきましょう。

また、車に積もった雪を払う道具や、車のエンジンがかからなくなったときの準備もあった方が安心です。

【スタック対策】雪に埋まったらスノーヘルパーとスコップを使おう

まず重要なのが、寝ている間に大雪が降ったときや、雪が多いところに侵入して埋まってしまったときなど、雪から脱出不能になったときためのスタック対策グッズです。

私は必ずスノーヘルパーと、周りを除雪するための小さめのスコップを準備しています。

この2つがあると、少しくらい埋まってしまっても自力で脱出できるので、北海道で車中泊をする場合は用意しておきましょう。

スノーヘルパーは頻繁に使うものではないので、安く耐久性の低いものでも十分だと思います。

【降雪対策】車に積もった雪はスノーブラシで払おう

筆者撮影 スノーブラシ

降雪に備えて、車に積もった雪を払うスノーブラシも必要です。

冬の北海道では、朝目覚めたら雪が車に積もっていたり、窓ガラスが凍結してバリバリになっていたりすることがよくあります。

その場合、スノーブラシがないと、手で雪を払うことになり、窓についた氷などもなかなか取ることができません。

スノーブラシがあれば、ブラシ部分で軽い雪を払い、反対側で窓についた氷などをそぎ落とすことができます。スノーブラシは、冬の北海道に必須のアイテムです。

【バッテリー対策】バッテリーが上がったらジャンプスターターで対応しよう

筆者撮影 ジャンプスターター

冬の車中泊では、寒さで車のバッテリーが上がってしまう可能性もあります。

特に、寒冷地仕様ではない車、バッテリー交換してから数年たっている車は、寒さでバッテリーが上がりやすいです。バッテリーが上がってエンジンがかからなくなってしまったときのために、自分で対処できるジャンプスターターもあると便利です。

JAFやロードサービスを呼んでもいいのですが、時間もかかりますし、ジャンプスターターは高いものではないので持っておくといいでしょう。

寒冷地仕様の車ならそうそうバッテリーは上がりませんが、念のため準備しておくと安心。もちろん、ジャンプスターターを持っていても、不測の事態に備え、JAFにも入っておくのがベストです。

北海道の冬の車中泊では絶対NG!エンジンかけっぱなしでの睡眠は危険

筆者撮影 冬に使ってる車中泊の寝具

天候のチェックや、寒さ対策に雪対策……そして、他にも冬の北海道での車中泊では気をつけたいことがあります。

それは、寝るときに、エンジンをかけっぱなしにして寝ないということです。エンジンをかけっぱなしにして寝た場合、一酸化炭素中毒の危険があります。

マフラーから排ガスが漏れていたり、雪が積もってマフラーが塞がったり、風向きの影響を受けたりなどで、排ガスが車内に侵入してしまうことも。排ガスによって、気がつかないうちに一酸化炭素中毒で意識を失ってしまう場合があります。

北海道の冬の車中泊はとても寒いので、ついつい、エンジンをかけっぱなしにして寝たくなります。しかし、エンジンのかけっぱなしは、絶対にしてはいけない危険な行為です。

私も、エンジンを停止して寝ても暖かく寝られるようにしっかり準備をし、必ずエンジンを停止して寝るようにしています。

冬の北海道での車中泊は危険もあるけどいいところもたくさんある!

ここまで読んで、「冬の北海道で車中泊をするのはかなり厳しそうだ」という印象を受けると思います。しかし、冬の北海道にはいいところもあります。

例えば、冬だと熊に出会ってしまう心配はほとんどありません。ヒグマも冬眠中ですからね。

そして、北海道ならではの美しい景色、白銀の世界も楽しむことができます。特に、流氷は冬の北海道でしか見ることができません。

網走の流氷

そして、凍った湖面に沈む夕日も見事です。

根室 風蓮湖に沈む夕日

車中泊だからこそ見られる、ホテルのある街中では見られない景色は感動します。朝のキリッと冷たい空気の中でしか味わえない良さも、冬の車中泊のメリットの一つです。

タンチョウ

しっかり車中泊の準備をして、北海道の冬にしか見られない景色を楽しんでほしいと思います。

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