川崎市長選、31日投開票 現市政2期8年の評価が争点

(左から)市古博一氏、川村るみ子氏、福田紀彦氏=届け出順

 任期満了に伴う川崎市長選が31日、投開票される。立候補しているのは届け出順に、いずれも無所属で元教員の新人・市古博一氏(73)=共産推薦=、会社役員の新人・川村るみ子氏(42)、現職の福田紀彦氏(49)の3人。福田市政2期8年の評価が争点となる。

 市古氏は、2度目の出馬。新型コロナウイルス感染症対策として検査の大規模な無料実施や、医療機関への財政支援、教育分野では中学卒業までの子どもの医療費無料化、中学3年までの少人数学級早期実現などを掲げる。駅前再開発の反対運動など、現市政に批判的な市民団体とも連携し、駅頭演説などで支持を求めている。

 川村氏は、市長報酬の30~50%カットを打ち出し、ごみ収集の週2回から週3回への増加、中学校給食の質の向上、75歳以上への市バスや銭湯の無料パス配布のほか、市財政の改善に向け、市内に本社を置く企業や、社員千人以上で女性役員が半数を占める企業への法人税優遇などによる企業誘致を訴える。駅頭演説などを通して浸透を図る。

 福田氏は、中学校での全員喫食の給食実施や、「差別のない人権尊重のまちづくり条例」制定などの実績を掲げ、市政継続をアピ-ル。新公約には、小中学校での市独自の学習状況調査実施や市出資の新電力会社設立、プラスチック製品の100%市内再生などを掲げる。新型コロナウイルス感染症への対応で公務を優先し、合間に街頭に立つ。

 前回市長選の投票率は衆院選と同日選挙だったため52.30%と、前々回(32.82%)より約20ポイント高かった。今回も衆院選と同日になるため、投票率のアップが期待される。

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